今年もペルーは「ワールド・トラベル・アワーズ 2016」の「世界最優秀グルメ観光地賞」に輝いた。世界の名だたるグルメ国家を押しのけ、堂々の5年連続受賞である。6月には南米地域部門の最優秀グルメ観光地賞を(こちらも同じく5年連続)受賞しており、グルメ観光に関しては不動の地位を確立したといっても過言ではない。
とはいえ、5年連続という状況には違和感を覚える。確かにリマにはさまざまなレストランがあるが、今年に何か突出した出来事があっただろうか?セントラルは世界ベスト4に選ばれたが、それは昨年と同位だ。ガストンに至っては後退している。新しい食材が発見されたなんて話もないし、こういうのは結局プロモーションの世界なのだろうと思わずにはいられない。
ただ最近、「本場の味」を提供する店が増えてきたことには注目している。インド&パキスタンやアラブ、タイなど、本国の味を伝えようと移住するアジア人シェフが増えているのだ。またフランス人が作るフランスパンや、イタリア人が作るジェラートなど「これが本物の味だよ」と喧伝する店も登場し、リマの若手Foodies達の間で話題になっている。
この流れがもっと加速するといいなぁ。グルメ観光地に来てペルー料理しか味わえないのはつまらないし、専門店だと思って入ったらなんちゃって料理だった、なんてもっと残念だ。流行りのフュージョンブームに一石を投じるきっかけにもなってほしい。混ぜればよいという風潮は、そろそろ見直すべきだろう。
※トップ写真はクリスマス用のレチョン(子豚)。豚はスペインが新大陸に持ち込んだ食材だ。マドリードには子豚の丸焼きが名物という、世界最古のレストランもあるらしい。ということはレチョンはスペインの伝統料理?いつか本場の味を堪能したいものだ。