ペルー政府 現金引き出し上限設定を検討

犯罪抑止の一手段として、ペルー政府(内務省)は金融機関からの現金引き出し金額を制限する法案を授権法の枠内で検討している。

具体的には、銀行や自治体系・在郷系金融公庫など国内全ての金融機関窓口における顧客の現金引き出し上限額を1万5000ソルもしくは3500㌦に設定するというもの。現状では現金による引き出しに金額の制限はない。

法案検討の背景には、企業経営者や個人が金融機関から引き出す現金を狙った近年の犯罪増加がある。また現状の取引形態は現金よりも支払手形や銀行間送金などが主流としている。

金融専門家や銀行幹部の間では、上限設定により強盗犯罪や汚職の抑止効果が期待されると共に銀行間取引の促進にもつながるとする肯定派と、国内では未だ習慣的に現金取引を好む取引先が多く現実的ではないとの否定派が存在する。

否定派はまた、上限設定はかつてアルゼンチンやウルグアイで起こった預金引き出し制限令を彷彿させるもので、銀行間取引の増加は市中両替商間の競争を助長し経財省が目指す事業者正規化に逆行と批判。現行の銀行預金率(GDP比37%)低下を懸念する声も。

(ソース: Gestión 05/12/16)