先日、白根全さんにお会いした。世界で2人しかいないカーニバル評論家であり、ラテン系写真家。そしてあのグレートジャーニーの関野吉晴さんをサポート&コーディネートした凄い人だ。なんとこのブログも覗いて下さっているという。ちょっと緊張する。
ペルー好きの例に漏れず、白根さんも話題の宝庫。今年日本で開催されたマルティン・チャンビ写真展(実はこの写真展の仕掛人も白根さん)や、日系人写真家Eulogio Nishiyamaなど、彼が注目するラテン系写真家の話はとても勉強になった。これから機会を見つけて紹介していきたい。
「それにしても、ペルーのインターネット事情は変わりましたね~」と白根さん。確かに今やアンデスのど田舎でも、スマホを持つ人が増えてきた。煮しめたようなポジェラとエプロンを身につけたアンデスのおばちゃんが、水を入れたゴム風船のような胸の奥からスマホを取りだして、whatsappを操ったりするのだ。インターネットがもたらすであろう、さらなる経済格差についても意見交換。今の経済状況が続けばチャンスに、しかし一旦不況になればその格差は一気に拡大するだろう。ただまずは、携帯を使った犯罪をなんとかして貰いたいものだ。
ミラフローレスのおしゃれなカフェで、ペルーの混沌がいかに魅力的であるかと盛り上がる日本人2人。もし周囲の白人たちにこの会話が理解できたら「そんな話はよそでやってくれ」と言われたに違いない。彼らの社会階層に取り込まれていない外国人だからこそ、どちらの世界も自由に行き来できる。感謝だ。
白根さんとお別れした後、高級車ばかり並ぶ駐車場のすぐ横からバスに乗る。リマのバスもここ10年で車体が随分変わった。床の鉄板がさびて穴が開いているとか、窓ガラスがないといったバスにはもう滅多にお目にかかれない。「便利だけど、このままどこにでもあるようなつまらない街になってくんだろうなあ」と思って外を眺めていたら、「ピウラの呪術師・一瞬でカップルになれる」みたいな看板が。ははは!さっきのおしゃれな世界から僅か数ブロック離れただけでもうこれだ!
ハイソな世界のすぐ目と鼻の先にある混沌とした社会。ペルーはやっぱり面白い。