熊本、イタリア、ミャンマー・・・今、世界中の大地が揺れています。世界有数の“地震国”であるここペルーでも、先日のコルカ地震をはじめ、小さな揺れは日常的。ネットで「地震・2016年」と検索すると、それこそ「世紀末到来」と言わんばかりの記事が続出します。ことの真偽はさておき、いずれにせよ我々人間の小さな力でどうにかできることではありません。被害を最小限にするには、日頃の備えしかないのです。
リマ市南部のパチャカマック博物館で、期間展「Nuestra Tierra Tiembla」が開催中。博物館とJICA(国際協力機構)のコラボによる地震災害・防災をテーマにした展覧会です。
8月26日に行われた開会式の様子。右から考古学者Rosangela Carrión、Denise Pozzi-Escot博物館館長、カトリカ大学・土木工学のJulio Vargas技師、JICAボランティアでRosangelaと共に今回の展覧会を企画した高橋未来さん、JICA所長の江口雅之氏、地震学の権威Julio Kuroiwa技師という豪華メンバー。
“Nuestra Tierra(ペルーと日本)”ということで、両国における地震史を踏まえたパネルを数多く展示。地震が起こるメカニズムや、メルカリ震度階級・リヒタースケール(マグニチュード)・震度の説明など具体的でよかったです。ところで震度って日本だけかと思ったら、台湾もなんですね。ちなみにペルーはマグニチュードを採用。こういうのを世界で統一できたらいいのに。
未来さんによる日本古来の地震の神様、大ナマズの話。参加者たちも興味深そうに耳を傾けていました。古来、日本と同じくさまざまな神々が存在したペルー。パチャカマック神も地震を司る神として有名です。異形の神々に畏敬の念を抱くことは、即ち自然の力を侮らないということ。そうした気持ちは防災という観点からも大切ですね。
思わず見入ってしまったリマの地盤強度表。スルコやミラフローレスの一部は低度、新市街の多くは中度のリスクです。セントロは危ないですね。ただでさえ老朽化による倒壊の恐れが高い建物ばかりなのに・・・国や自治体による早急の対応が望まれます。
防災グッズや、津波や災害時の対応について考えるマンガなど、過去の事例を数字で伝えるだけでなく、具体的な防災に役立つ内容が盛りだくさんの展覧会。この日も地元の小学校の子供たちが招かれていましたが、ペルーだけでなく日本人在住者の子供たちにもぜひ見てもらいたいです。
最後は子供たちによるVacatakiという踊り。思いっきり練習不足だったけど、まあ可愛かったので許してあげましょう(笑)
パチャカマック神のお膝元で企画された今回の展覧会。単に遺跡保護を訴えるより、説得力があっていいですね。関係者の皆さま、お疲れ様でした!会期は10月まで。ぜひご来館ください。
Museo de sitio Pachacamac
火~土曜:9:00~17:00、日曜:9:00~16:00
入場料:大人S/10、12歳までのお子さんはS/1