ペルー中央準備銀行(BCR)は7月14日、コレクション用1ソル硬貨「ペルーの富と誇り」シリーズの第25弾を発表した。今回は、ブラジルと国境を接するペルー東部ウカヤリ州に古くから暮らすアマゾン先住民「シピボ=コニボ族」の伝統工芸品、幾何学模様で知られる「シピボ=コニボの陶器」がモチーフとして採用された。
CERÁMICA SHIPIBO – KONIBO (シピボ=コニボの陶器)
アマゾンのウカヤリ川流域に位置するシピボ=コニボ集落では主に女性が陶器を作る。そのルーツは非常に古く、考古学者の調査によると、ウカヤリ河畔で紀元800~1600年に発達したクマンカヤ(注: シビポ族の伝承の地)の伝統的な陶器は現在のものに酷似しており、一帯の1200年以上に亘る文化の継承を裏付けている。
赤、白、黒の粘土にアパチェラマの樹皮と砕いた古い陶器の粉を混ぜ、細長く捏ねた材料をとぐろ状に積み上げて新たな陶器を形作っていく。この技術は、アマゾンの森や川の創造主である天空の蛇が宙で蠢く様子を模したもの。
焼成に先立ち、ケネと呼ばれる眩暈のするような複雑に入り組んだ幾何学模様が光輪状に描かれる。天空の蛇(アナコンダ)の表皮の模様に由来するこのデザインを施すことで、蛇の強力な変異の力が陶器に宿るとされている。
(解説: 考古学者マリア・ルイサ・ベラウンデ博士/中銀サイトより引用)
同硬貨の発行予定枚数は1千2百万枚。今回の発表により、2010年3月以来数か月毎に鋳造され続けてきた同シリーズの硬貨はあと1デザインを残すのみとなった。過去に発行された「ペルーの富と誇り」シリーズの記念硬貨は次の通り。
1. 黄金のトゥミ (ランバイエケ州)
2. カラヒアの石棺 (アマゾナス州)
3. ライモンディの石碑 (アンカシュ州)
4. シユスタニ石塔墳墓群 (プーノ州)
5. サンタ・カタリナ修道院 (アレキパ州)
6. マチュピチュ遺跡 (クスコ州)
7. グラン・パハテン (サン・マルティン州)
8. サイウィテの石 (アプリマック州)
9. レアル・フェリペ要塞 (カリャオ特別州)
10. Templo del Sol (アヤクチョ州)
11. クントゥル・ワシ遺跡 (カハマルカ州)
12. ワイタラ神殿 (ワンカベリカ州)
13. コトシュ遺跡 (ワヌコ州)
14. パラカスの工芸織物 (イカ州)
15. トゥナンマルカ遺跡 (フニン州)
16. カラルの聖なる都 (リマ州)
17. 月のワカ (ラ・リベルタ州)
18. 旧パレスホテル (ロレト州)
19. リマのカテドラル (リマ・メトロポリターナ)
20. プシャロのペトログリフ (マードレ・デ・ディオス州)
21. モケグア風建築 (モケグア州)
22. ワラウタンボ遺跡 (パスコ州)
23. ビクス土器 (ピウラ州)
24. カベサ・デ・バカ遺跡 (トゥンベス州)