生命の木なのに弱っちい「モリンガ」

árbol de la vida(生命の木)と喧伝される「moringa(モリンガ)」を手に入れた。エコマーケットの一角にあったスルコ区のブースで、その苗を無料配布していたのだ。「区民の健康はこのモリンガから!」的なスローガンの下、その普及に努めているらしい。きちんと説明してから苗を渡すことが義務付けられていたのだろう、話し終えるまで苗を渡そうとしれくれなかったスタッフが印象的だった。

昨日のEl Comercioにも大きく紹介されていたので、改めてその内容をチェック。曰く「キューバの指導者フィデル・カストロが89歳にしてあの健康状態を維持しているのは、このモリンガのお蔭」なのだとか。インド原産というモリンガの高栄養価に着目したフィデルは、90年代からずっと摂取しているとあった。その割にはここ数年死亡説が飛び交ってたけどね。

モリンガの説明@El Comercioさて、このモリンガ。ペルーに伝わったのは1999年と比較的最近で、子供の栄養失調対策を目的に、海岸部での栽培が始まっているそうだ。タンパク質を始め、鉄やマグネシムなどのミネラルが豊富で、その他の栄養価も高く、まさに理想的な植物と絶賛。「ビタミンAは人参の4倍」「ビタミンCはオレンジの7倍」「カルシウムは牛乳の4倍」「カリウムはバナナの3倍」「鉄はほうれん草の」「タンパク質はヨーグルトの2倍」と、モリンガがいかに優れているかが一目でわかる。スルコ区運営の貧困者救済食堂では、すでにモリンガを利用し始めているそうだ。

それにしても、「インド」と聞くとこういうビジュアルしか思い浮かばない発想の貧困さが残念だ。しかもグラム数など比較表記がなくて、まったく参考にならないし。その上「ペルーだって負けてない」とばかりに、キヌアとサチャインチの栄養素なんかもちゃっかり入れちゃってさ。モリンガの紹介記事なのに、なぜこうも見事に脱線できるのか?

その上日本語で検索したら、こんな甘ちゃんな記事の100倍詳しい紹介が簡単に見つかった。そっかそっか、食物繊維も豊富でギャバやポリフェノールも含むのか。デトックス、アンチエイジング、おぉ、国連もその価値を認めていると!そんなこんなでワタクシ、一瞬でペルー一モリンガに詳しい人間になれたと思われる。ペルー人よ、もっと頑張れ!

ちなみに我が家のモリンガはというと、すでに微妙に枯れ始めている。貰ってすぐ葉に斑点が出てきたし、もともと病気の苗だったのかもしれない。生命の木のくせになんと軟弱な・・・。ペルーでモリンガが定着するのは、まだまだ先になりそうだ。