「メード」ってなんですねん

先月末、共同通信社の『記者ハンドブック』の改定版が3月下旬に発売予定というニュースを見た。これは新聞記者だけでなく、出版社などでも使用されているもの。もちろんライターもしかり。文字を生業にする人が、ふと「これはどっちだっけ?」と悩んだ時に頼るお助けブックだ。

でも私はこの本を持っていない。というのも、新聞社の表記基準についてずっと疑問があったからだ。もう随分昔のことだが、私は某新聞社のウェブサイトにペルーコラムを書かせてもらっていた。大好きなシリーズだったので、そのコラム自体が終了してしまったのは本当に残念だったが、一つだけどうしても受け入れがたいことがあった。それが「メード」だ。

原稿納品時、「『メイド』という表記はダメなので「メード」にします」という連絡を頂いた。なんじゃそりゃと思って尋ねたら、社内の表記規定なのだという。いやいや、でもメードはないやろ、メードって!と思ったが仕方なし。私の原稿は「メード」になってしまった。

あと「子供」を「子ども」にしろというのも嫌だった。なぜ漢字と平仮名を混ぜるのか?漢字は表意文字、ひらがなは表音文字、ただの「オト」だ。熟語ってのは2つの漢字が揃ってこそ、その意味を成す。読めない奴がいるならルビを振れ!はぁ?「供」の意味が悪いって?あほちゃうか、どこまで子供に媚びてんねん!

とまあ、しがない下請けフリーライターにはどうしようもないことがたくさんあるのだが、しがない者にせよ、原稿は私の作品である。私が表現したい言葉を選んで書いている。それをどこのオヤジが作ったかしらん古臭い規定やら、どこの誰におもねってるのかわからん理由で書き換えられるのは本当に嫌だった。

で今回、そのハンドブックが新しくなるという。だから興味を持った。「メード」も「メイド」になるらしい。そう修正する理由は気に食わんが、取り合えず正しい動きだと思う。このハンドブックを見たらまた「なんじゃこりゃー!」があるかもしれないが、これはぜひ取り寄せようと思っている。