ペルー大統領選挙2016 備忘録

来月4月10日は、5年に一度のペルー大統領選挙投票日だ。前回は「左派のウマラが大統領になったら、外国人は住みにくくなるだろうなぁ」と心配しながら経過を見守っていた(実際住みにくくなった)。ところが今回は、もう笑っちゃうくらいすっちゃかめっちゃかな選挙戦が繰り広げられている。これをメモらずにはいられない。

大統領候補者は現在14人。1月11日の候補者リストの受付終了時には、なんと19人もいた。気が付いたら消えていた人もいるが、何が驚いたかって、投票日まであと1ヵ月というところで、有力候補(フリオ・グスマンとセサル・アクニャ)2人が出馬不可になったことだ。アクニャは博士論文の剽窃問題やら有権者に金をばらまくやら、とにかく品がなかったので消えて当然という感じだが、グスマンの選挙リスト不備なんて、受付け時点で分かったろうに?なんでこんなに引っ張ったのか。誰かの陰謀か?

またマネーロンダリング疑惑で取り調べ中のトレドや、汚職疑惑で拘留中のサントス、婦女暴行や殺人容疑で告発されているウレスティなんかが候補者として堂々と名乗りを上げているのも凄い(ウレスティは出馬取り消しになったけど)。厚顔無恥なんて言葉じゃ説明しようがない、このふてぶてしさはなんだろう?「妻の妊娠中の浮気」なんて、まったく個人的な理由で辞任に追い込まれる人もいるのにね。

そして現政権のなりふり構わぬフジモリ叩きは、見ていて本当に辟易する。ケイコの政策に対しての批判ならまだしも、とにかく過去の、しかも父親の事ばかりをあげつらって、まったくもって下品極まりない。ナディンなんてもう阿修羅のような形相だ。人の批判ばかりしてるとこんな顔になるんだなぁという、いい例である(フランスに逃亡するだろうというウワサまである)。

現時点ではケイコがトップ、次点がクチンスキーとバレネチェア。10日では決まらず、決戦投票にもつれ込むだろうというのが大方の予想だ。とは言え、投票日ぎりぎりまで誰がどう浮上してくるか分からないのが、ペルーの大統領選挙。あんなにひどい時代を招いたアランですら、2回も大統領に選ばれたしね。

政治問題には詳しくないし、政策批判などする気は毛頭ないが、この混乱から見えるペルーもあるだろう。今回は本当に目が離せない選挙戦になりそうだ。