超ペルー的工事

またまたうちのアパート話。去年の10月中旬、うちと隣の家のインターフォンが突然壊れた。その修理を請け負った電気工事士のオヤジは、依頼を受けたのに3ヶ月以上もクライアントをほったらかしにするという大物だった。

「2家族のインターフォンを交換するなら、いっそのことアパート全体のを総取替えしましょう」という話になった。今度のは、「外門が開くと赤いランプが点き、閉まると消える」というタイプだ。これで誰かが門を開けっぱなしにしても、誰かがその異常に気付くだろう。más seguroな訳である。

オヤジたちは非常にまじめに仕事をしていた(ように見えた)。うちに来た時も、きちんとインターフォンが機能するかを何度も確認してくれた。ついでに中国製バカタップのせいでショートして溶けてしまったコンセントの差し込み口も、無料で交換してくれた(部品は私が持っていた)。こういういいテクニコは貴重だ。私はオヤジの名刺を貰い、何かあったらまた頼もうと思っていた。だけどやっぱりペルーである。

インターフォン本体には、外門と内門を開けるボタンが上下並んで2個ついている。設置した時は、上のボタンは外門に、下のボタンは内門にちゃんと接続されていた。なのに翌日にはなぜか上下が逆になっていた。なんで?何で変えの?何が起こったの?誰もが戸惑いを隠せなかった。

しかも「外門が開いた時だけ点く」はずの赤いランプが、なぜか常時点いているのだ。目を突き刺すような赤いランプが24時間点灯しているのは、相当なストレスである。僅かとは言え、電気代だってかかるんだし!

管理人は早速オヤジを呼びつけ、その解決を求めた。最初はあれこれやっていたオヤジも、「俺が悪いんじゃない!きっとあの外門についている鍵の中がおかしいんだ!」と、鉄の門にがっちりついている鍵ケースをなんとかして外そうとした。でも硬すぎてどうにもならなかったらしい。そして…逃げた。トンずらした。

こうなったら絶対戻ってこないのが、ペルーのobreroだ。携帯にも出ないし、どこに住んでいるか誰も知らない。こういう独立系業者(というと聞こえがいいが、ただのインフォーマル)は責任を取るということを知らない。何かあれば逃げればいい。

残念なことに、工賃は「まともに機能した日」に払ってしまったのだという。「その日は」ちゃんと機能していたんだから、仕方がないよね。ただ、せめて余計なことをしないで逃げて欲しかった。完璧にはできない人たちであることは百も承知だが、今回のはちょっと強烈である。