独立記念日と国会中継と手話通訳士。

Feliz Fiestas Patrias!194回目のペルー独立記念日。 今年は、5日前の夜に閣議決定された「27日の月曜も祝日」と併せ、お役所関係は5連休。一方私はずっと引きこもり。28日のウマラ大統領の国会演説を聞くというイベント?以外、PCと語り合っていた。

その演説だが…可もなく不可もなく。個人的に一番気になっていた治安問題もこれといった具体策はなく、それに触れたのもたったの6~7分。夢ばっかりというか、地方ばっかりというか。「アヤクチョ(ナディンの故郷)に道路を造った」って嬉しそうに言うなよ。

そんな中継で感心したのは、画面に映っていた手話通訳士の仕事ぶりだ。「リサーチ企業の報告ですか?」と言いたくなるくらい数字の羅列ばかりだったのに、その通訳士は70分間、ずっと一人で訳し続けていた。「Compatriota(同胞諸君)!」と国民に呼びか続けたウマラ大統領にとって、聾(ろう)者も大切な投票者。こういうところは、ほんと日本と大違い。

ところで皆さま、トップの写真をご覧あれ。ある聾者の物売りから買ったお菓子と、小さなメッセージカード。とても印象深かったので、写真を撮っておいたのだ。

この聾者がバスに乗ってきた時、物売りだということはすぐに理解したが、何もしゃべらないし、何がしたいのかまったく分からなかった。彼はそんな人々の視線を一身に受けつつ静かにノートを開いて、指である型を作っていった。ノートにはいくつかのアルファベットと、それに対応する手話の絵が。7枚のページをめくり終えると、それが「gracias」だと分かる仕組みだ。

彼はゆっくりとカバンにノートをしまい、それからお菓子を売り始めた。多くの人が彼からチョコレートを買った。私も買ったら、このメッセージカードをくれたのだ。「やぁ!ごめんね、僕は耳が聞こえないんだ。君にチョコレートを売ります。買ってくれてありがとう」この人凄いって思った。また見かけたら、絶対買おうと思っている。

最後にもう一つ。手話で検索してたら、すごく面白いビデオを見つけた。これ、ぜひ見てください。手話に対するイメージが変わるかも?ペルー人にも絶対ウケるね。ペルーでもやらないかなぁ。

独立記念日とは直接関係ない話だけれど、私はまた一つ興味の対象が増えてちょっと楽しい(笑)Viva Perú!全ての国民に幸多かれ。