リマでタクシーを利用する際に危険が伴うことは巷に広く知られている。ゆえに、利用客とタクシー運転手の間を取り持つ新たなサービスが近年台頭してきた。スマートフォンの配車アプリを介したこのようなサービスは一様に素早さと安全が売り物だが、その安全性と責任の所在にこのところ疑問が生じている。
今週リマの配車サービス大手が2度にわたり告発された。1件は同社の契約運転手が14才の乗客にセクハラ行為をはたらいたというもので、運転手は警察で事情聴取を受けた。もう1件は子連れの母親が乗車中に運転手による強盗未遂に遭遇したというケースだ。
一方、配車サービスの契約書には「輸送サービス提供中に発生したいかなる行為にも当社は責任を負わない」「運転手の身体的、精神的健康は保証しない」とあり、利用者の安全に関する会社側の義務は全て免除されるようになっている。
さらに、「業務中の運転手による犯罪により生じた刑事責任については、一重にその運転手に帰す」と但し書きされている。多くの同業者も同様の条項をうたっており、トラブルの際の責任の所在が今後問題となりそうだ。
消息筋によると、改定契約条項を近日中に発行すると同社幹部は話しているが、条項の具体的な改定箇所については触れていないという。
このような配車サービスの運行を禁じている国も複数ある。例えば、コロンビアの交通省は国内における同種のサービス提供を違法と定めている。
(ソース: エル・コメルシオ)