旅行中やイベント時は一眼を使うが、市内の何気ない風景を撮る時はコンパクトカメラを使っている。携帯性、機動性に優れたコンデジは、街撮りに必須。ペルーではいつどこで犯罪に巻き込まれるか分からないし、バスでうろちょろする私にはとにかく小さい方が何かと便利なのだ。
しかし私のコンデジは現在修理中で、今は修理先の好意により代替品を使用している。こっちのほうが修理対象より高級品だから、これを壊さないかとドキドキだ(苦笑)
そんなある日。街の某所を撮影していたら、いかつい警備員が近づいてきた。なぜここで写真を撮っているのか、仕事か、仕事なら許可を取ったのかというのだ。
こういう時はシラを切るに限る。人畜無害な一般市民を装い、「自分の記念に撮っているだけだ」と言ってみた。しかしその警備員は明らかに訝しんでいる。「ですが、そのカメラはプロ仕様ではないですか?」と食い下がってきた。
そうそう、ここの人はコンデジ以外はすべてプロのものと思っている節がある。逆にコンデジなら、どんなに優秀なものでもOKだ。彼らの判断基準はコンデジ=庶民、一眼=プロ。だからあのコンデジは手放せない。なんたってあのツァイスレンズ搭載でF値1.8。あれをコンデジと一括りにすること自体、ある意味間違っている。
それにしても、なんでそんなにこのカメラに文句をつけるのかと思ったら、「だってセニョリータ。今の時代、写真を撮るなら、ほら、こういうのでしょ」と自分のスマホを出して撮る振りをするではないか。
あ~ん、そう言うことね・・・。
私は自分の携帯を差し出して、警備員の顔に突き付けて言った。「だって私の携帯にはカメラがついてないんだもん!」電話とSMSしかできないアンティーク品。スリすら持って行きゃしない折り畳みの古いタイプ。どうだ、参ったか!
案の定、「えっ?あんた、今時それかい?」と相当びっくりした彼。そしてたぶん優越感もあったろう、「あ~ぁ、それじゃあ写真は撮れませんよねぇ~」とニコニコしながら立ち去った。ふふん、愚か者め。携帯は電話するもの、カメラは写真を撮るものだ。一緒にする方がおかしいっちゅうねん!!
ということで無事任務を終了。お蔭できれいな写真が撮れました。それにしても、偉くなったもんよのぉ、ペルー人。スマホがそんなにいいんか?そうやって見せびらかしてるから、すぐ盗まれるんやろが。
これからも、このアンティーク携帯を大切にしよう。そして何か咎められたら、この携帯を見せつつ「私のFBに載せたいんでちゅ~」と撮影してやる。