「La Playa Feliz」。こっちのテレビでそう紹介されたソリートス。ずっと頭の隅に残っていた。“幸せな浜辺” ってどんなのだろう。
2400kmとも、3000km超とも言われる長い海岸線を持つペルー(測り方によって大きく変わる)。カリブや沖縄のようにはいかないが、それなりに美しいビーチはいくらでもある。そんな中で「幸福な」と形容されるビーチ、ソリートス。その理由を探りに、トゥンベスの海岸沿いを南下した。
かつてたくさんのキツネ(Zorro)が住んでいたというソリートスは、19世紀にラテンアメリカ初の油田が発見された場所。それだけ聞くとなんだか工場乱立の環境の悪そうなイメージだが、今はただの静かな漁村である。
向かった先はLa Casa de Diego。3部屋マックス9人という小さな小さな宿だ。口コミ評価が高く値段も手頃、なんといってもこじんまりしているのがいい。オーナーのディエゴはリマ生まれリマ育ち。でもソリートスの海や自然に魅かれて、ここに暮らすようになった。「リマは人が多いし渋滞ばかりだし、空気も悪いし物価も高い。でもここなら朝イチのいい波に乗って犬たちと遊んで、とびきり新鮮で美味しいシーフードを食べて、地元の人たちとのんびり話しをして。夜は潮騒を聞きながら眠るんだ。そういう人間らしい暮らしができるんだよ」と笑顔で話してくれた。とっても爽やかなサーファー、38歳。とりあえず今は彼女なし。
さて、そのディエゴの家には2匹のわんこと2匹の猫が暮らしている。どの子もとても人懐っこくて、滞在中よく遊んだ。
このデ・ニーロがモノ凄く甘えん坊!ある時、ベッドで寝転がっていたダンナのお腹の上に乗っかると、突然Tシャツをピチャピチャとしゃぶり始めた。そのうちベトベトになってきたので慌ててシャツを捲りあげたら、今度はお腹のプニプニが楽しいのかマッサージを開始。あはは、可愛い~。
あとでディエゴに聞いたら、「まだほんの赤ん坊の時に貰ったから、ママのおっぱいをしゃぶり足りないんだと思う。だからそうやって甘えてくるんだよ」と。そっかー。プニプニはマッサージじゃなくて、おっぱいをもっと出そうとしてたんだね。ママのおっぱいと中年男の腹の違いも分からないほど小さい時に引き取られたのかと思うと、なんとも不憫でならない。せめて私の胸を・・・あ、ヤツの腹のほうが大きい?
「あいつ、またやってるのか」とチラ見するミーシャもいい。何が幸福かは人それぞれだが、この時点で結構幸せいっぱいなソリートス滞在の始まりだった。