WHO(世界保健機関)が先日発表したレポートによると、リマ首都圏の大気中に浮遊する微小汚染物質(PM2.5)の濃度は1㎥あたり年平均38μg(マイクログラム)で、WHOが理想とする10μgには未だ及ばないことが分った。
ブロック別の年平均PM2.5レベルは、リマ市南部で29μg、東部で36μg、カリャオが17μg。リマ市の中でも人口が集中している北部の計測値は58μgで、ラテンアメリカ諸国中最悪の汚染度となった。
一方、域内で最も汚染度が低かったのはブラジル沿岸部サルバドルの9μg。91カ国1600都市の計測データを反映した同レポートの分析では、基準値以内の大気で暮らす人々は全体のわずか12%しかいないことが判明した。
リマ・カリャオ環境対策委員会に所属するルイス・タグレ・ピサロ氏は、型遅れの中古車(平均20年落ち以上)の蔓延と質の悪い燃料がリマの大気汚染の主な原因と位置づけ、これらの汚染物質が風に乗り、人口密集地区周縁の丘陵地に阻まれ滞留するというリマの地形的な要因にも言及する。
これに対し、近年リマ市では天然ガスを燃料とする大量輸送交通システム「メトロポリターノ」や高架式鉄道「メトロ」を導入すると共に、経年劣化した車両の走行を禁止するなどの対策を講じている。
(ソース: LaRepublica.pe)
参考-周辺諸国の年平均PM2.5値 (出典: WHO AAP PM database, May 2014 / 単位: μg)
- アルゼンチン (ブエノスアイレス) – 16
- ボリビア (ラパス) – 23
- ブラジル (サンパウロ) – 19
- コロンビア (ボゴタ) – 27
- エクアドル (キト) – 18
- チリ (サンティアゴ) – 26
- ウルグアイ (モンテビデオ) – 18
- パラグアイ (アスンシオン) – 18
(尚、日本の主要都市は概ね3μg程度)