Puqllay カーニバルの夕べ

文化・芸術の秋を満喫しようと、国立考古学人類学歴史学博物館(MNAAHP)へ。ペルーのフォルクローレを学ぶ学生グループによる「Puqllay(プクジャイ/アンデスのカルナバルのこと)」を観に行った。こういう文化的なイベントを気軽に楽しめる環境は本当に素晴らしい。しかもイベント開始は夜7時からだったが、それに合わせて夕方5時からは博物館を無料開放。太っ腹。

アフロペルアーノのリズムに欠かせない打楽器2種。ロバの下顎の骨を利用した「quijada(キハーダ)」と、巨大カボチャをくり抜いた「Checo(チェコ)」。キハーダはアフリカからの黒人奴隷たちが考案したもの、ノルテで誕生したチェコはペルー文化遺産の1つ。

そのほか、最近日本でも知られるようになってきた「cajon(カホン)」や箱の蓋をパカパカいわせながらその側面を叩く「cajita(カヒータ)」などペルーならではの楽器がいくつも用意されていた。

博物館の中庭に設置された舞台を取り囲む聴衆たち。軽快なリズムに身体を預け、リラックスした様子でその場の雰囲気を楽しんでいる。いくつかの演目の後、舞台に呼ばれた観客たちは出演者と一緒に踊り出した。老若男女問わず、今その時を楽しむ。こういう習慣はとてもいい。

カルナバルはもともと四旬節(復活祭の46日前から前日まで)の前に行われる祭りらしいが、ペルーでは2月から3月にかけて全国各地で開催されている。カハマルカやフリアカが特に有名だが、リマでも「水かけ祭り」として行われていた。しかし一般の歩行者や窓の開いているバスに向かって、無差別攻撃をするバカな輩が後を絶たないため、今ではほとんどの区で水かけ禁止だ。

私がここに来た頃はまだ「2月にセントロなんて行っちゃダメ」と注意されたが、取り締まりが厳しくなった現在では、そんな声を聞くこともなくなった。ほっとするような残念なような・・・。リマもだんだん画一的な街になってきている。

それでも毎年「水を掛けたら罰金いくら!」というニュースが流れるから、郊外の区では激しい水の掛け合いが行われているのだろう。sedapal(水道局)によると、毎年この時期にはリマとカヤオで120,000立方メートルもの水が無駄に消費されるとか。

上水設備がなく給水車に頼らなければならない地域や、頻繁に断水が起こる通り、消防車への給水ができず、ひとたび火事が起こったらいつもまる焼けというエリアでの消費が多いと容易に推測できるところが、やはりペルーだ。

ところで話は戻るが、カルナバルのことを調べていたら、アヤクチョのカルナバルが凄いことを知ってしまった。純白の衣装を身に纏った乙女たちが、闇を照らすライトを前に堂々とスカートをたくし上げているのだ。衣装ではなく、妙に素朴な自前パンツを晒している様子は、同性としてあまりにも痛々しい。これは何の意味があるのだろう、男を誘っているのか?(※右の写真は違いますよ~!)

自分で調べながら、同じ女性としてショックを受けてしまった。うーん、これはぜひ観に行かなければ・・・。来年2月はアヤクチョね、だんな。

ああ、文化と芸術の話をと思ったら、パンツの話になってしまった。さすが多様性の宝庫と言われるペルー、まだまだ知らないことが多すぎる。