先月、外国人税を払うために移民局へ行ってきた。去年はあんなにもすんなりと、しかも感動すらした移民局。
しかし今年は受付開始時間が午後1時からに変更されたため、大変な目に合った。「1時過ぎに行って立ったまま何時間も待つより、早く行って座って待つほうがまだマシ」との判断から、
11時前に移民局に到着した私とだんなと友達+お子。
しかし、移民局周辺は時間変更を知らずに朝からずっと待ち続けた人や、他の申請業務に訪れた人などで溢れかえり、大変な混雑だった。状況を確認するも、人によって言うことが違うため何が何だか分からない。仕方がないのでとりあえず人の波に乗って中に入り、待つ場所を探すことにした。
ところで私はこの日の前日に食中毒症状を起こしていた。明け方までトイレと語り合い、出すものすべて出し切った状態だったため、お腹に力が入らずちゃんと立っていられない。すぐにしゃがみ込んでしまう私を気遣いつつ、並ぶべき場所を探してくれた友達とだんなに、この場を借りて深く感謝する。
それにしても、移民局の警備員は本当にアホだった。「1時からの手続きのために、どこに並んで待てばいいか」との問いに、「手続きは1時からだから、まだ並ぶな」って答えるってどういうこと?私たち以外にも、すでに大勢の在住外国人が局内を彷徨っていた。
皆が移民局の誠意のない対応に苛立ち、状況を改善するよう求めているのにその場しのぎの対応しかしない、いや、それすらまともにできない人々。「こっちじゃない、あっちだ」「あっちじゃない、そっちだ」「ここで待て」「ここで待つな」「俺は知らん、他の奴に聞いてくれ」
彼らにはこの混乱を解決しようと言う意思はまったくなく、とにかく自分の前から消えてくれという雰囲気が見え見えだった。
なぜ待つ場所一つ指示できないのだろう。局内の秩序を守るのが警備員の仕事なのではないのか?「外国人税支払は1時からです。このラインに一列にお並び下さい」と紙に書いて、壁に貼れば済むことだ。みんな、並ぶこと自体に文句を言っているのではない。どこに並ぶかを指示しないから怒っているのだ。
それすら理解できないこの能力の低さはなんだろう。今振り返ってみても、申し訳ないが能無しとしか思えない。
あっちへウロウロ、こっちへウロウロしながらやっとそれらしい場所で座ることができた。顔見知りのtramitador(手続き代行人)がいたので、「あんたもこの手続きで待っているのか」と尋ねたら「そうだ」と言う。
彼は毎日ここに来て手続き代行しているのだから、きっと正しいだろう。周囲の人も同じ手続きで待っていると言う。しばらくそこで休むことができた。
が、結局ここも待つべき場所ではなかった。さっきのtramitadorが再度確認したところ、また違う場所になったと言うのだ。そこにはすでに大勢の人が座って待っていたが、例によって警備員の言うことが曖昧でここでも混乱を招いていた。
それからまたまた違う部屋に移動させられた。人々に揉まれながら、それでもそれなりに前のほうに座ることができた。こんなたいして広くもない局内を5回も移動するなんて・・・信じられない。
しかし、みんなが無秩序に押しかけ椅子を陣取ったものだから、お年寄りや妊婦、小さな子供を持つ優先されるべき人たちが立って待つ羽目になってしまった。これはダメでしょ?こうした人たちに優しいのがペルー人の美徳じゃないの?
友達もお子を連れたまま立っている。ああ、申し訳ない。でも今はちょっと席を譲れそうにない。
普段少々アホな事態が起こっても、そこかしこに笑いのネタが転がっているため絶望的にイライラすることはあまりないのだが、自分の体調のせいもあり、この時だけはどうしようもなくネガティブな気持ちだった。
そのためだろうか、待っているうちにまた気持ち悪くてしゃがみ込んでしまった。誰かが呼んでくれたのだろう、しばらくした後、アルコールと脱脂綿を持った係員がやってきた。ただ私自身はもう声も出ず、ただひたすら目で追うしかなかった。
しかし、相変わらず周囲を観察する能力に欠ける人達なため、ぐったりしている私にまったく気が付かずウロチョロしている。とりあえずと思ったのか、その係員は近くに立っていた元気そうなバーチャンにアルコールを振りかけようとして、バーチャンから物凄い勢いで怒られていた。
あ、やっぱり笑えるわ。
やっと私の存在に気付いた係員は、頭と手に気付けのアルコールをジャブジャブかけ、脱脂綿にアルコールをたっぷり吸わせて、それを鼻に当ててくれた。深呼吸。びっくり。アルコールってすっごく効く。
それにしても、脈を取るでもなくすぐさまアルコールってさすがペルーだ。失神した人もアルコールで起こすのだろうか。
そんなこんなでやっと順番が来て、今年も何とか無事にシールをゲットした。すでに2時を過ぎていただろうか。3時間も・・・あー、人生の無駄。これで1年間は移民局に行かずに済むが、来年はどうしたものか。
ま、とにかく移民局に行く数日前は、油ものを控えるとしよう。