ペルーの市場専門家「中国の消費者は子供のよう」

アジアのマーケットには膨大な潜在購買力があり、ペルー企業にもその開拓が可能かも知れない。しかしその前に、アジアの消費者の特殊性についてあらゆることを根本的に理解しておくことだ。アジア市場はほとんど別の世界なのだから。

アジアにおけるビジネスの専門家、ムリエリェ・カルメス氏によると、中国の消費者には極めて変わった特徴があるという。その理由は、長い間自由市場から隔離され、通常なら購入可能な数々の商品を制限されてきたことにある。彼らはブランドあるいは商品の多様性というものを知ることも、それらを選択することもできなかったのだ。

「中国の消費者はブランドというものに不案内で、今あらゆるものを探っている最中なんです。長い間、ほとんど何も与えてもらえなかった子供のようにね。だから、ブランドへの信仰やその構築ということに関しては他の国々よりも難しいんですよ」と、カルメス氏は述べる。

また同氏は、中国の消費者は非常に直情的で衝動買いに走りやすい、と強調した。ゆえに、商品パッケージを一目見た時のインパクトも、中国人消費者の心を掴むカギのひとつかも知れないと言う。

もうひとつ大事な点は、商品に関する情報をできるだけ提供するようにしなければならないということであり、「これがその商品で、これはこのように作られていて、使い方はこうで…」という手ほどきを忘れてはならないと語った。

「米国と同じ市場戦略でアジア市場に参入を果たした多くの企業が、自社ブランドは他の国々でも知られているから中国でも飛ぶように売れるだろうと思っていました。そうして失敗したのは国際的な大手グループ企業です。商品をマーケットに適合させる労力を惜しんだからです」と付け加えた。

では、中国市場をどう攻めるか?同氏は、ペルー企業は中国への輸出を望んでおり、特に農産品分野において大きな可能性を秘めているのではないかと述べる。

同氏は中国市場を奥深く理解することの重要性を説き、また中国市場の「諜報活動」は一社のみで行うべきではなく、他企業の援助を仰ぐ必要があると強調した。

「アルゼンチンやチリ、ブラジル、メキシコといった国々は、すでに5、6年前から自国の商工会議所やマーケットリサーチの拠点を中国に置いています。これは残念ながらペルーにはないもので、巨大な市場ポテンシャルがあるのに、といらいらしてしまうんです」と締めくくった。

(ソース: GESTIÓN / ルイス・フェルナンド・アレグリア筆)