リマ旧市街に隣接するサンマルティンデポーレス区。同区にある国家文化遺産「ワカ・エル・パライソ(楽園のワカ)遺跡」の12のピラミッドのうち、一基が何者かにより基壇から破壊されるという事件が発生した。
6月29日土曜日、10数人の建設業者が遺跡敷地内に違法進入し、ショベルカーとバックホー(何れも建設用重機)を使用してNo.12ピラミッド(高さ6m、面積2千㎡以上)を跡形もなく破壊した。
同遺跡調査保存プロジェクトの責任者、考古学者のマルコ・ギジェン・ウゴ氏によると、一味はピラミッドの残骸の上でゴミを焼却。さらに他3基のピラミッドを損壊しようとしていたが、警備員が警察に通報したところ逃げたという。
同プロジェクトの考古学者メンバー、ミゲル・カスティージョ・ロドリゲス氏ならびにルイス・フローレス・ブランコ氏は、この襲撃はリマ区の建設業者および不動産業者に責任がある、としている。
「彼らがこの土地を横領しようと企てたのはこれが最初ではない。この土地は(国家文化遺産であるため)不可侵地帯であるにもかかわらず、彼らは自分たちが所有者だと言っている」とフローレス氏は述べた。
64ヘクタールの敷地に広がるワカ・エル・パライソは、紀元前2000年から3000年頃の遺跡。世界遺産カラル遺跡と同じくらい古い遺跡で、カラル文化やコトシュ文化群といくつかの相似性が見られる。
(ソース: LaRepublica.pe)