昨夜、だんなが録画してくれていた「90 Segundos」を見た。ペルーを代表するニュース番組の一つだ。
ペルー国内のニュースが続いた後、海外の話題に移った。中国では生きた動物をプラスチックの小さな袋に詰め込み、キーホルダーにして売っているらしい。これは3月11日付けのel comercioにも掲載されていたものだ。ストラップ付きの小さな袋に詰められたカメやトカゲ、魚たちは酸欠のため2ヶ月ほどで死んでしまうという。それがお土産としてよく売れている(約4ソレス=約150円)とかで、その業者が摘発されたというものだった。
さすが中国、金儲けのためなら大気汚染も気にならぬお国柄。小動物の命がどうなろうと、良心の呵責など一切ないのだろう。「いやはや、どうしようもないな」と呆れつつ、そのニュースを見た。
しかしこの後もっとバカバカしくて恥ずかしくて、情けなくて腹立たしくて、だけど、何かがおかしい映像が流れたのだ。
日本の芸人たちが、紐のついた洗濯バサミを「イタイ、イタイ」と言いながら鼻や唇に挟んでいる。どうやらこれで何かを引っ張って、綱引きをしようと言うらしい。顔が汚いのは仕方がないが、問題なのは引っ張る対象だ。おぞましいことに、その紐の先はビキニ姿の女性の胸元に繋がっていた。
掛け声と共に顔を動かし、その紐を引っ張る男たち。それに伴って徐々に剥がれていく女性のビキニ。他の芸人どもが、鼻の下を伸ばしながらそいつらを囃したてる。女性の胸が公衆の前にぼろんとさらけ出されたところで、試合は終了。どっちが勝ったとか負けたとか騒ぎ立てる様子は、知性の欠片も何もない野蛮人のようだった。
テロップにはこうあった。「Programa fue cerrado por tener concursos extremos Japón」(極端なコンクールのため放送中止になった日本のテレビ番組)
女性キャスターが顔を歪めながら、「Que animales!(=動物/なんて野蛮な!)」と言い放った。「日本」と言われるたびに、恥ずかしくて身体の震えが止まらなかった。
ペルーにもおバカな番組はたくさんある。特にラテンの女性はきわどい衣装が好きだし、お尻なんてある意味丸出しだ。とはいえ、その部分を「見せる」ことは絶対しない。こんなひどい番組は、ない。
しかし、どうもおかしい。何故ならこの番組は最近のものではなかったからだ。適当な単語と映像にあった「たけし軍団」というキーワードで検索してみたところ、随分昔の番組であることが分かった。
番組内容が最悪で放送中止になったのか、単に番組改編で終わったのかは定かではない。最低な内容であることには変わりないが、とりあえず近々の話ではないのだ。
だがニュースでは、「いつの番組」とは言わなかった。だからこれを見たペルー人は、これを「日本の現在の姿」だと思うだろう。ついさっき中国の動物虐待ストラップのニュースがあり、その業者が逮捕されたと報道されたばかりだ。誰が見たって「今」と思う。私だって一瞬そう思った。
日本の品格や信頼を貶めようとする何かが働いているとしか思えない。そうじゃなきゃ、数年も前に終わった番組映像をyoutubeか何かから拾ってきてまでゴールデンタイムに放送するはずがないだろう。
確かに番組内容は低俗で破廉恥で最低だ。だけど最新情報を届けるはずの報道番組で、今このバカげた番組を流す意図が分からない。この情報はDILMA R★U★Sという記者からのものらしい。DILMA、あなたは誰に頼まれたの?いくら金をもらったの?
日本人が島の中で内輪にしか通じない幼稚な遊びをしているうちに、誰かがそれを利用して、足を引っ張ってくる時代。こんな報道がこれからペルー以外でも流されるかもしれない。日本人が知らないうちに、世界中の人々が日本を蔑むようになるかもしれない。
「何を大げさな」と思う人もいるだろう。だけど、私にとって昨夜は本当におぞましいものだった。初めて「日本人です」と答えたくないと思うほどに落胆した。
これが「世界のキタノの部下たちだ」と報道されなかっただけましと言おうか。先人たちが積み上げたきた大切なものが、ガラガラと崩れ落ちていくのを感じる。
ディルマさん(あらブラジルの現大統領と同じお名前)、お給金のためとは言え、まぁようそんな古いネタをほじくり返してきはりますな~
にしても画像イメージっていうのはおっかないですね。一瞬にして「野蛮でいやらしい東洋人」っていうレッテル貼られちゃう訳だから。
願わくば駄ネタとしてとっとと忘れられることを祈ります
うん、貼られたと思う。だって私が見てもそうとしか思えないんだもん。こっちで見ると、東洋人は顔形の違いもあってもっと目立つんだよね。それが・・・あれでしょ。泣けます。別に私がペルー人から何か言われるわけじゃないけど、昨日は外に出たくなかった。
はじめまして。お気持ちよくわかります。
そういえばむかしNHKのスペイン語学習TVにレギュラー出演していたペルー人「M」にはエル・コメルシオ紙記者という別の顔があって、醜悪にみえる切り口から日本を紹介していました。ほぼ毎回のように。彼をそうさせたのがお金なのか、個人的思想や感情なのかはわかりませんが。
Kさん、こちらこそはじめまして。日本でもそう言うことがあったんですね。NHKは彼に対し注意などはなかったのでしょうか。客観的で冷静な判断ができない人が新聞記者とは笑わせます。その「M」は今どうしているのでしょうか。一度彼の書いた記事を読んでみたいです。