マチュピチュ遺跡の地下に皇帝パチャクテクの財宝?

数年前からペルーのクスコで発掘作業を続けているフランスの考古学者Thierry Jamin氏は、マチュピチュ遺跡の地下に墓所が存在すると明言している。現存する遺跡には地下に向かう行き止まりの通路と扉が複数あり、地中探査によりインカ皇帝パチャクテクの玄室や隠された財宝が発見されるかも知れないというのだ。

「我々はペルー文化省に調査計画を提出している。昨年4月にはマチュピチュ遺跡で踏査を実施、さらなる調査を望んでいる。すべてのペルー人にとって有意義な、インカ文明における最大級の発見になるかも知れない」と同氏はラジオ番組を通じて語った。

ある観光客が遺跡内の壁面に隠された扉があることに気付き、これが地下構造物(仮説)の最初の手掛かりになったという。同氏はその後、仮説を裏付けるための三次元地下構造解析調査実施を決意したが、数次に及ぶ申請は却下されたままだ。

文化省クスコ地方支局は同氏の仮説に対し否定的で、マチュピチュ遺跡内での調査を許可するだけの十分な根拠がないとしている。

同局は、「問題は2つある。ひとつは、然るべき理由があるケースを除き、マチュピチュ遺跡内の調査を実行できるのはペルー国家当局のみであると『マチュピチュ・マスタープラン』に規定されていること。二つ目は、遺跡はすでに盗掘され、皇帝パチャクテクの地下墓所もしくは財宝の存在は専門家により否定されていること。ハイラム・ビンガムがマチュピチュ遺跡を発見した当時、遺跡はすでに数回の火災に見舞われており、かつ植民地時代から国家独立初期にかけ盗掘の限りを尽くされていた。ビンガム氏が最後の一人(盗掘者)であったことを思い出していただきたい」とコメントし、同氏の仮説については「トレジャー・ハンターの直観の類に過ぎない」と切り捨てた。

(ソース: エル・コメルシオ)