今日から「チルカーノ週間」が始まった。この週はこの強いカクテルを称賛しそのルーツを辿る機会でもある。残念ながら、ペルーを代表するこのカクテルの発祥は定かではない。しかし、いくつかの説が語られていることは確かだ。
ピスコ(チルカーノの元となるお酒)に精通したソレダー・マロキンによると、チルカーノの発祥に関する最も有力な説は、これをイタリア移民がもたらしたというものである。彼らはグラッパ(葡萄の蒸留酒)にジンジャエールを混ぜた「ボン・ジョルノ(おはよう)」という名の酒を習慣的に飲んでいた。
ペルーに移住したイタリア人は、そのグラッパをピスコ(ペルーの国民的蒸留酒)へと替えたのだという。バーテンダーのロベルト・メレンデスが色々な客から聞いた話では、(その時期は)19世紀末から20世紀初頭にかけての頃というのが有力だ。
マロキンによると、イタリアのカクテル「ボン・ジョルノ」は「チルカーノ・デ・ぺスカード(魚出汁のスープの名称)」が持つそれと似たような強壮剤としての効果もあったようだ。故に、「チルカーノ」という名が付けられたのだろうという。
マロキンによる「ピスコの蒸留」というタイトルのブログでは、「チルカーノ」を考案したというバーテンについても言及されているが、彼女(マロキン)はこれを「根も葉もない話だ」と切り捨てる。
一方、「元祖ピスコ名称評議会」のハイメ・マリモン会長は、チルカーノの発祥については謎のままでいいのではないかと語る。「(チルカーノの名称は)リマ南部にあるチルカ湾に由来しているのではないでしょうか。本当に魚スープ料理からその名が付けられたのかどうかははっきりしませんが、関連はあるかも知れません。(でも)今では誰も(その由来を)知る者はいないのです。(本当の由来は)皆さんの想像にお任せします。」と会長は述べた。
(ソース: エル・コメルシオ / マリア・ピア・バリエントス)
筆者註: ピスコをジンジャエールで割ったおいしいカクテルで、個人的にはとても気に入っています。