ペルー北部にあるピウラ大学の研究機関(ICF)を始めとする複数の組織が実施した調査「堅調なデモグラフィック・ディヴィデンド(DDR/生産人口の総人口比)‐経済的観点から考える豊かさと結婚」によると、2010年度にペルーで正式な婚姻関係を結んだカップルは人口千人当たりわずか2.8組で、世界で最も低い水準となった。
世界29カ国の家族構成を比較した結果、ペルーの婚姻比率はサンプル中最後から2番目。一方、正式な婚姻関係に拠らない成人の同棲婚比率は22%で、これはコロンビアの31%に次いで高い割合になる。
総人口に対する婚姻比率(27%)は同棲婚比率に比べ5ポイント上回っているものの、調査団は「いまは正式な婚姻関係が減少し、同棲婚が増加する傾向にある」とコメントしている。また、成人の離婚率(0.32%)および別居率(6.41%)も微増しているという。
専門家はこれらの結果について、他国と比較してペルーは若年層が相対的に多い人口構成であることなど、さまざまな原因が考えられるという。また、同棲婚が好まれる文化的要因も存在する。新たに家庭を築く費用が嵩むという経済的な事情や、結婚という誓約関係への躊躇や個人主義的な傾向といった社会的な理由だ。
2008年度のペルー国内家庭アンケート調査では、シングルマザーや同棲婚カップルによる婚外子出生率は69%と算出されている。調査団は、「結婚は夫婦とその子供たちにとって家庭の安定とよりよい人生を保証し、ひいては国家経済の原動力となる。すなわち、人的資本と社会的資本双方の増大をもたらす」と、婚姻の重要性を強調した。
(ソース:エルコメルシオ)
ペルーにおける婚姻関係は、法的に互いの財産を共有する権利を持つということでもあります。つまり、結婚前のカップルに大幅な資産の差があったとしても、婚姻を結んだ後は足して2で割ったものが一方の取り分ということです(結婚前の個人財産を共有化しないためには、事前にペルー側で公式に申告しておく必要があると聞いています/詳しくは各自のペルー人パートナーにご確認を)。
これが原因かどうかは定かではありませんが、ペルーで「超」のつく富裕層の間では、お付き合いをしても婚姻関係を結ばないのがトレンドと聞きました。「金持ちケンカせず」ではなく、「金持ち結婚せず」がペルーセレブたちの不文律のようですね。