リマ市標準仕様バス導入に民間業者反発

コンビ今日は早朝から乗り合いバスのストライキが実施され、ラジオからは「会社に間に合わない」「1時間待ってるけどまだバスが来ない」といったリマ市民の悲痛な叫びが聞こえてきます。このストの背景には、新リマ市長スサナ・ビジャランが提唱する「標準モデルバス」の導入が少なからず関係しているようです。

ペルーは自国で自動車を生産していないこともあり、お世辞にも新しいとは言えない色彩豊かで多種多様な車種が、黒煙をまきちらしながらリマ市内を縦横無尽に走り回っています。コンビやミクロと呼ばれるこれらリマの乗り合いバスは、民間の業者によって運営されチープで小回りの利く庶民の足としてリマ市民に重宝されている重要な交通機関ですが、経済効率を重視するあまり安全性や環境への配慮が二の次になっているのが玉に瑕と言えるでしょう。

そんな中、2013年1月からの「標準仕様バス」導入がリマ市によって発表されました。この「標準仕様バス」は車長9mから24mまで5種類あり、最長のものは3連結の車両で構成され最大240人を運ぶことができます。静音設計かつユーロ4排ガス規制に対応した車両は、環境に優しく視覚障害者や車椅子の使用にも配慮されています。

しかしながら、車両価格が現在に比べ50%程度割高になること、導入以降は新規バスルートへの参入プロセスが変わってしまうことなどから、業者側はこの制度に反発しています。これに対しリマ市側は新たな融資枠を設け、民間業者による「標準仕様バス」への買い替えを促進していく方針です。

新制度に納得しない民間業者団体は、来月前半にも新たな48時間ストの実施を計画しています。乗客側としては、ソフィスティケートされた車両とサービスが運賃にまで反映し、逆にリマ市民の足枷とならぬよう心から祈るばかりです。