ペルー人の喫煙率は8% – 世界禁煙デー

ペルーの成人喫煙人口は、昨年度を上回る8%(2023年3月統計)。パンアメリカン保健機構(PAHO)の最新報告書を基に、麻薬濫用防止情報教育センター(CEDRO)が世界禁煙デーにあわせて発表した。

CEDROの科学アドバイザー、アルフォンソ・サバレタは、タバコの需要を減らすため、公共の場における喫煙の禁止、タバコ税率の引き上げ、禁煙を望む喫煙者へのカウンセリングやサポートといった効果的な対策を適用しなければならないとしている。

また、タバコはペルーで2番目に多く消費されている合法な薬物で、慢性疾患の主要な危険因子のひとつであるため、公衆衛生上の問題にもなっていると指摘した。

タバコによる経済的損失

サバレタは、タバコに起因する国内の医療費は年間でおよそ8億4800万ドル(約1181億円)と推定されることから、喫煙はペルーの経済にも影響を及ぼしていると述べた。

一方、タバコ関連製品からの税収は7700万ドルで、ペルーの公的医療費総額の1割にも満たない。サバレタは、タバコによる早死にで39万6069年分の命が失われているとした上で、タバコ税はペルーにおける喫煙関連の医療費約25億ソレス(約950億円)のわずか9.1%sしかカバーしておらず、国家経済にとって憂慮すべき問題と指摘している。。

「タバコではなく、食糧を」

CEDROは各国の政府に対し、葉タバコ栽培への補助金支出を中止して、その分を食料の確保と栄養面に貢献する転作プログラムに向けるよう要望している。

2023年の世界禁煙デー(5月31日)では、農家による葉タバコから持続的な作物への切り替えを支援する機会として、政府やその政策立案者を動員し、代替作物の市場システム構築を通じて、少なくとも世界で1万戸の農家に葉タバコ栽培の放棄を誓約するよう促している。

これら代替作物の耕作(転作)は、その農家自身を始め世界中の数百万人もの人々の糧となり、タバコ農家を度重なる借金の悪循環から解放し、ひいては環境全体の健全化に貢献するものである。

(ソース: Andina 31/05/23)