ペルーの出入国スタンプ廃止とその理由

本日5月29日から、ペルーの国際空港の出入国審査において、パスポートへの出入国スタンプ押印が廃止される。今回の措置につき、管轄の国家在留監督庁(MIGRACIONES)は、審査のスピードアップを図るためのもので、旅客と国家の双方にメリットがあると説明している。

同庁のアルマンド・ガルシア長官は、国内の航空ターミナルにおける旅客増に対応する必要性から、主要国の導入例を参考に、慎重に検討を重ねた上で今回の措置に至ったと説明。本日以降の施行については、数日前に官報を通じて公布されているとした。

「国際空港における旅客数の増加に対応するため、国際的な最良の事例を考慮し、またセキュリティの観点から、国内の国際空港において、外国人およびペルー人の出入国審査時のパスポートへのスタンプ押印を廃止することが決定されました」

旅券への押印廃止によって、出入国審査を受ける国際線の乗客は、パスポートを開いてスタンプを押すページを探す手間が省け、これにより審査の混雑が回避できることから、出入国がよりスムーズで快適なものになるという。

他にも、頻繁に渡航を繰り返す旅客を対象に、膨大な数の出入国スタンプでページが埋まり、有効期限前にパスポートを更新するわずらわしさから解放されるというメリットを挙げている。

さらには、スタンプ本体および専用特殊インクの購入や維持管理に関するコストを削減できることから、国家にとっても大きな節約になるとしている。

スタンプ押印が廃止される空港名

ガルシア長官によると、今回の措置が適用される予定の空港は、ホルヘ・チャベス国際空港(リマ国際空港)、アルフレド・ロドリゲス・バリョン国際空港(アレキパ)、アレハンドロ・ベラスコ・アステテ国際空港(クスコ)、ペルー空軍カルロス・マルティネス・デ・ピニージョス大尉国際空港(トルヒーヨ)の4か所で、これらの空港では、不測の事態が発生した場合に限り従来のスタンプが使用される。

安全上の措置

長官はまた、当措置に関し、関係書類の真正性および旅客の身元を確認するための高度な技術が用いられており、ペルーの国際空港における出入国管理の安全性を決して損なうものではないと記者会見で述べた。

ペルーにおける旅客の通行については、必要なすべての情報がオンライン入国カード(TAM Virtual)に記録される。この情報はまた、国家在留監督庁が相互運用する各種データベースとリアルタイムで照合され、同庁が管理する在留情報台帳(Registro de Información Migratoria)に登録される。

また、旅客の通行記録(このリンク先から確認可能)はオンライン上にストレージされているため、出入国スタンプの物理的な偽造リスクを排除することができる。

同様の措置は、米国、EU各国、韓国、香港、ニュージーランド、メキシコを始め、世界各地の空港で出入国審査に採用されている革新的な手法であり、国際的なトレンドになっている。

なお、新型コロナウイルスのパンデミック期には、旅客や入管職員の感染リスクを最小限に抑える目的から、ホルヘ・チャベス国際空港(リマ国際空港)におけるパスポートへのスタンプ押印は中止されていた。

(ソース: Andina 29/05/23)