ノルテが発祥とされるArroz Tapado(アロス・タパード)は、“tapar=覆う、隠す、被せる” の通り、ひき肉ベースのフィリング(詰め物)をご飯で挟んだ一品。ずいぶん大雑把な料理ですが、ペルー人はこれが大好き!そりゃ大好きなご飯とひき肉炒めを一緒に味わえるのですから、ペルー人ウケが悪いわけがありません。
PromPerúのサイトによると、この料理は偶然の産物だろうとのこと。「急に親戚が訪ねてきたためまずは家にある食材をチェック。取り急ぎ米を炊いて、冷蔵庫の残り物をチャチャッと炒め、ご飯でサンドイッチのように具材を挟んでみた」のが始まりだとか。うんうん、家庭料理あるある~。
「ラテン諸国でも食べられている」とあったので検索してみたことろ、コロンビアのサイトでArroz Tapadoが紹介されていました。しかしそれはご飯でサンドイッチにしたものではなく、ご飯の上に炒めた具材を乗せてチーズをかけてオーブンで焼くというドリア風のもの。同じ料理名でも全然違いますね。
余りに簡単でレシピを紹介するのを躊躇しましたが、ペルー人曰く “infaltable=必要不可欠” な一品だとか。ということで、堂々といっちゃいましょう!
【材料】1~2人分
- ご飯 1合分
- 牛赤身肉、またはひき肉 150g
- たまねぎのみじん切り 1/4個分
- すりおろしニンニク 小1
- トマト 1/2個
- アヒ・パンカペースト 大1/2
- アヒ・アマリージョ 1/4本
- 茹で卵 1個
- ブラックオリーブ 4~5個
- レーズン 20~25g
- 刻んだペレヒル(イタリアンパセリ)の葉 大1~2
- カルド・デ・レス(ビーフブイヨン)または水 大2
- 塩コショウ、クミン、オレガノ 適量
- オプション:トマト・ペースト
- 付け合わせ:目玉焼き、プラタノ・フリート(焼きバナナ)
【作り方】
1、ご飯の準備をする。日本風ご飯でもいいし、ニンニクと塩を入れたペルー風ご飯でもよい。ペルー風の場合は、小鍋にオリーブオイルを少し入れ、すりおろしニンニク小1を炒め、香りが出てきたら洗っておいた米を入れて軽く炒める。水1合分強と塩少々を加え、蓋をして炊く。
2、フィリングの材料を準備する。牛赤身肉を細かくカットする(ひき肉の場合は不要)。トマトは皮を剥いて種を取り、みじん切りにする。アヒ・アマリージョもみじん切り、ブラックオリーブと茹で卵も荒くカットしておく。レーズンに熱湯を回しかけ、水分を切っておく。
3、フライパンに油を敷き、たまねぎのみじん切りとたまねぎの水分を引き出すための塩一つまみを振り、よく炒める。たまねぎが透明になったらニンニク、アヒ・パンカペーストを加えてよく炒め、牛肉を加えて炒める。牛肉に火が通ったらトマトとアヒ・アマリージョのみじん切りを加えて更に炒める。トマト・ペーストを入れるならここで。カルドまたは水を加えてひと煮たちさせ、塩コショウ、クミン、オレガノを適量加えて味を調える。ブラックオリーブと茹で卵、レーズン、刻んだペレヒルを混ぜ合わせたらフィリングのできあがり。
4、丼鉢の内側をさっと水で濡らし、まずご飯を1/3の高さまで詰める。その上にフィリングを乗せて平らにならし、上からご飯で蓋をするように被せる。平皿に丼鉢を勢いよくひっくり返しながら乗せて鉢を取り、目玉焼きと焼きバナナを添えたらできあがり。
【Keikoからひとこと】
アロス・タパードは「ご飯、フィリング、ご飯」の3層が基本ですが、丼鉢の大きさやご飯の量に合わせて2層にしても味に影響はありません。というか、ご飯を食べすぎてしまうので、個人的には2層でよいのではと思ったりします(笑)
ちなみにトップ画像のアロス・タパードは、2人で取り分けながら食べられるよう、ラーメン鉢でまとめて作りました(だから目玉焼きも2つ分)。目玉焼きの大きさと比較して頂くとイメージしやすいと思いますが、食欲旺盛な男性や育ち盛りのお子さんなら、これくらい1人でぺろっと食べちゃうかも?なので分量は適当に加減してくださいね。
レストランによってはお米を炊く時にクルクマ(ターメリック)を加えたり、フィリングの肉をラム肉に置き換えたりと工夫しているよう。でも本来は冷蔵庫の残り物で作るような、飾らないところがこの料理の最大の魅力。なのでブラックオリーブやレーズンがなくても問題なし、牛ひき肉を鶏肉に置き換えてもまったくOK!肩の力を抜いて、チャチャっと作っちゃってください。