魚を刺身のように薄く(tira:スペイン語で “細長い紐、紙” の意)切り、レチェ・デ・ティグレやアヒ入りのサルサをかけて頂くTiradito(ティラディート)。ニッケイ料理の傑作であり、誰にも愛される一品です。
ティラディートの魅力は、そのバラエティー豊かなサルサにあり。一番人気はなんといってもサルサ・デ・アヒ・アマリージョ、サルサ・デ・ロコトやTiradito natural(ティラディート・ナトゥラル=レチェ・デ・ティグレ)をかけたものや、ブラックオリーブを使ったサルサなんかもありますね。
以前は “ティラディートとセビーチェの違いはタマネギの有無による” とされてきましたが、最近はそのタブーも薄れ、みじん切りにしたタマネギ(サルサ・チャラカ)を添えて出すレストランも見かけるようになりました。仕上げにオリーブオイルを垂らしたり、クラントロやアヒの風味をつけたオイルを垂らしたりと、デコレーションも思いのまま。作り手のセンスが問われる、おもてなしにもピッタリの一品です。
【材料】一皿分
- 白身魚やホタテ貝など 100g~適量
- 白身魚の切れ端 1~2片(15~20g)
- アヒ・アマリージョペースト 大2~3
- レモン汁 大3
- タマネギ 10g
- セロリ 15g
- ニンニク 小1/2個(2g)
- ショウガ 5g
- アヒ・リモ 1/3本
- クラントロ(コリアンダー)の茎 2本分
- 塩 適量
- オプション:カルド・デ・ペスカード(フィッシュブイヨン)または水、オリーブオイル
- 付け合わせ:レタス、チョクロ、茹でたカモーテ(サツマイモ)、カンチャ(炒りトウモロコシ)、クラントロ、アヒ・リモ、アボカドなどなど
【作り方】
1、白身魚を薄くスライスし、皿に並べて冷蔵庫で冷やしておく。
2、アヒ・リモ以外の材料を粗くカットする。白身魚の切れ端とタマネギ、セロリ、ニンニク、ショウガ、レモン汁、塩少々を入れて攪拌する。水分が少ないので、どうしてもミキサーが回らない場合はばカルド(または水)を少々加えてもOK(でもほんの少しだけ!入れすぎ注意!)。
3、2がよく混ざったら、ざく切りにしたクラントロの茎と種をとったアヒ・リモを加え、ミキサーを1~2回転だけまわす。これでピリッと辛いレチェ・デ・ティグレの出来上がり。あくまで香りや風味をつけるためだけなので、回し過ぎないこと!辛いのが苦手な方はアヒ・リモの量を減らすか、入れなくてもよし。
4、ボウルに3のレチェ・デ・ティグレを大2ほどとり、そこにアヒ・アマリージョペーストを加え、塩で味を調える。辛さや濃度はレチェ・デ・ティグレやアヒ・アマリージョペーストの量で調整。もったりとした濃厚なサルサ(トップ画像右)に仕上げたい時は、レチェ・デ・ティグレを作る時にオリーブオイルを加えて攪拌するといい。
5、1の魚にレモン汁(分量外)少々と塩を軽く振り、アヒ・アマリージョのサルサをかけ、お好みの付け合わせを添えてできあがり。
【Keikoからひとこと】
美味しいし好きだけれど、味が単調なのでたくさんはいらないティラディート。レストランで注文すると一皿当たりの量が多すぎて、夫婦2人だと最後の方はちょっと飽きてしまうんですよね・・・(苦笑)。なのでこういう料理は自宅で作るに限ります。
ただ量が少ないわりに材料が多かったり、ミキサーを用意しないといけないのが玉にキズ。なのでさらっとした仕上がり(チップ画像左)でよければ、無理にミキサーを使う必要はありません。ボウルにレチェ・デ・ティグレの材料を入れ、スプーンでぎゅぎゅっと押し付けて素材の味や風味をレモン汁に移すだけ。それにアヒ・アマリージョペーストを加えるだけでも十分美味しいサルサになります。カルパッチョに似た軽い仕上がり、サルサが重くないのでこのほうが日本人好みかもしれません(私もこっちのほうが好き)。
すでにお刺身用にカットされた魚を利用すればあっという間にできあがり!これからの季節、クリスマスディナーの前菜にもいかがでしょうか?