国家水路・気象庁(Senamhi)は17日、アンデス山間部における2022年10月の降雨不足につき、58年前の1976年10月と同程度の規模で、3年連続となるラ・ニーニャ現象の発生を受けたものと発表した。
クスコ州南部やプーノ州中南部のいくつかの地域では、過去58年間で先月が最も乾燥した月だった。同庁気象予報局の専門家によると、11月初旬の10日間、国内の中央および南部の山間部における雨量は、平年に比べ60%から100 %少ない異常値を示していたという。
この降雨不足は11月24日まで続く見込みで、太平洋から吹き込む乾燥した気流が雨雲の形成を阻害するため、主に南部アンデスでの雨量不足が顕著になるという。また一方では、東部アンデスにおける散発的な降雨の可能性も否定できないとしている。
同専門家は、アンデス地方における今年度の雨季当初(2022年9月)からの降水量不足について、太平洋赤道域で3年続いているラニーニャ現象による変調の可能性を指摘している。
ペルー国内でこの降雨不足の影響を受けている地域は、アンカシュ、パスコ、フニン、リマ、ワンカベリカ、アヤクチョ、アプリマック、クスコ、アレキパ、プーノ、モケグア、タクナの各州。
同庁の月例予報によると、今月11月から来月にかけて、アンデスの北西部、中西部および南東部では降雨量が平年を下回る可能性が高いという。
河川流量の減少
同庁水路学予報局の副局長は、11月の河川流量について、太平洋岸中部エリアが▲49%、南部のティティカカ湖エリアでは▲43%とそれぞれ変則的な減少が見られると報告した。
また、雨量の減少を受け、プーノ州を中心にアンデス全域でジャガイモやキヌアの耕作期(2022-2023年)開始が遅れ、アレキパ州では白米やタマネギ、ジャガイモ、トウモロコシの作柄に影響が出ているという。
環境省の管掌機関である同庁は、今後も気象や気候の動向について報告するとし、公式サイトやSNSの情報を参考にするよう市民に注意を促している。
(ソース: Andina 17/11/22)