Pollo al Vino ポヨ・アル・ヴィーノ

フランス全土で愛されているというcoq au vin (コック・オー・ヴァン)。たっぷりのワインでコトコト煮込んだ雄鶏(coq)は、ほろほろと崩れるほど柔らかく、滋味あふれる味わい・・・なのだとか。いいですね~、フランス、行きたい!

『ガリア戦争(紀元前58年~紀元前51年)の折り、ユリウス・カエサル率いるローマ軍に投降したガリア軍の長ウェルキンゲトリクスが、自分たちがいかに勇猛果敢であったかを示すため、カエサルに一羽の強暴で攻撃的な雄鶏を贈った。翌日カエサルはウェルキンゲトリクスを食事に招き、薫り高いある料理を提供した。それはウェルキンゲトリクスが持参した雄鶏(ガリア軍)を赤ワイン(ローマのシンボル)でマリネし、時間をかけてじっくり煮込んだ(完全征服の意)ものであった・・・』

wikiにも『この伝承には多くの異論がある』と注釈があり、まったく眉唾ではありますが、それほど古くからフランスで愛されてきた料理ということには間違いなさそうです。

ブルゴーニュの郷土料理といわれるコック・オー・ヴァンはラテンアメリカにも伝えられ、gallo al vino(ガジョ・アル・ヴィーノ)、またはpollo al vino(ポヨ・アル・ヴィーノ)に名前を変え、それぞれの国に定着しました。たとえばワインの国アルゼンチンのレシピは比較的オリジナルに近いようですが、我がペルーは相変わらず独自の道を進んでいます(笑)。

おうちに赤ワインがふんだんにある時はフランス(もしくはアルゼンチン)風、ちょびっとしかない時はペルー風とか?いやいや、ここはまずペルー風をお試しください!

【材料】2人分

  • 鶏もも肉(骨付きがベスト) 300g
  • たまねぎのみじん切り 1/4個
  • すりおろしニンニク 大1/2
  • アヒ・パンカペースト 大1
  • ベーコン 30g
  • レーズン 20g
  • 赤ワイン 100ml
  • カルド・デ・ポヨ 150~200ml
  • ローレル 1枚
  • ペレヒル(イタリアンパセリ) 少々
  • 水溶き片栗粉 適量
  • 塩コショウ、クミン、オレガノ 適量
  • 付け合わせ:茹でたジャガイモ、またはジャガイモのピューレ

【作り方】

1、ボウルに適当な大きさにカットした鶏肉を入れて塩コショウを振り、すりおろしニンニク、アヒ・パンカペースト、赤ワインを加えて最低3時間マリネ、できれば一晩漬けこむ。

2、鍋に油を敷き、マリネ液を切った1の鶏肉を皮目から焼く。香ばしい焼き色がついたらいったん取り出しておく。マリネ液も使うので捨てないように。

3、2の鍋に油を少し足し、小さくカットしたベーコンを入れて脂が染み出るまでよく炒める。そこにたまねぎのみじん切りを加えて更に炒め、クミンとオレガノも加える。

4、3に2で取り出しておいた鶏肉を戻し、2のマリネ液を加えてアルコール分を飛ばす。そこにカルドとレーズン、ローリエを加えて蓋をして10分ほど煮込む。

5、鶏肉に火が通ったら塩コショウで味を調え、水溶き片栗粉で軽くとろみをつける。ペレヒルを散らしてできあがり。ご飯とジャガイモのピューレを添えて召し上がれ。

【Keikoからひとこと】

ペルー定番料理と紹介されるも、実は外で食べたことは一度もないポヨ・アル・ヴィーノ。ペルの一人当たりの年間ワイン消費量はわずか1.8リットルだし、ペルーの料理酒といえばチチャ・デ・ホラか、せいぜいビール。それになんでもアヒを入れてしまうから、わざわざワインを使わなくてもいいような気もするし・・・あ、それを言ったらお終いだ(笑)

でもこれ、なかなか美味しいです。やっぱり赤ワイン最高!なので宴会の翌日、ボトルにちょびっとワインが残っていたら、その時はぜひお試しください。その際は鶏肉を一晩マリネするのをお忘れなく。