ペルー首相府（PCM）は29日、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴う国家緊急事態令の延長および、マスク着用など社会的隔離・感染予防措置の改定に関する大統領令第118-2022-PCMを官報にて公布した。
同改定では、屋外や換気設備のある屋内でのマスク着用が任意となるほか、ワクチン接種証明書の提示義務条項や集会・人の集中を制限する条項が廃止されている。同令の概要は次のとおり。
大統領令第118-2022-PCM
第1条 国家緊急事態宣言の延長
大統領令第030-2022-PCM、同第041-2022-PCM、同第058-2022-PCM、同第076-2022-PCM、同第092-2022-PCM、同第108-2022-PCMにて延長された大統領令第016-2022-PCMにつき、住民の生活および健康に影響を及ぼすCOVID-19の深刻な現況を考慮し、2022年10月1日から歴日で31日間延長すること。
当該緊急事態宣言発令中は、身体の自由および安全、住居の不可侵、集会の自由および、ペルー共和国憲法第2条第9、11、12項ならびに24項f（エフ）号の示す領土内における移動の自由に関する憲法上の権利が制限される。
第2条 大統領令第030-2022-PCM、同第041-2022-PCM、同第063-2022-PCM、同第069-2022-PCM、同第108-2022-PCMにより変更された大統領令第016-2022-PCM第4条の改定
大統領令第030-2022-PCM、同第041-2022-PCM、同第063-2022-PCM、同第069-2022-PCM、同第108-2022-PCMにより変更された大統領令第016-2022-PCM第4条を下記の通り改定すること。
第4条 権利行使の制限
4.1 保健衛生施設、陸上旅客輸送車両、換気設備のない屋内では、KN95マスクあるいは、三枚ひだのサージカルマスク上に通常の布マスクを重ねた二重マスクの着用を義務付ける。
屋外、および換気設備のある屋内でのマスク着用は任意とする。
呼吸器疾患のある者には、屋外・屋内に関わらず、KN95マスクあるいは、三枚ひだのサージカルマスク上に通常の布マスクを重ねた二重マスクの着用を義務付ける。
現行規定に基く適切な換気を条件として、教育機関における生徒や教師のマスク着用は任意とする。
屋内で換気設備のない、レストランまたはそれに準ずる施設では、飲食物を摂取する際に限りマスクを取り外すことができる。
4.2 これらの衛生規定および緊急事態関連条項への違反者、すなわち、COVID-19の蔓延から住民の生活と健康を守る目的で発出された国家緊急事態およびその他の規則の発令期間中に犯した違反に対する罰金の未納者については、あらゆる政府機関において諸手続きを行うことができなくなる。ただし、社会的弱者や社会プログラム正規登録者、公的補助金受給者などは、食料や保健衛生、または金銭的な公的扶助に関するあらゆる政府プログラムの受益者として、対応する給付を受けることができる。
4.3 12歳以上のペルー人および、出発地に関わらず旅客としての最終目的地がペルー国内である外国人居住者は、ペルーまたは国外においてCOVID-19ワクチンの予防接種を3回済ませていなければならない。また出発地に関わらず旅客としての最終目的地がペルー国内である外国人非居住者は、出身国の枠組みに基く回数のCOVID-19ワクチン予防接種を受けていなければならない。
前述のCOVID-19ワクチン予防接種を完了していない者は、その出発地における搭乗前48時間以内のPCR検査による陰性証明書を提出することができる。なお、12歳未満の小児は無症状であれば搭乗可能とする。ペルー到着時に症状が見られる者については、関連規定に従い強制的に隔離される。
ペルーの保健衛生当局は、ペルーに到着する旅客に対してCOVID-19の感染検査を行う権限を有し、陽性の場合には衛生上の補完措置を講じるものとする。
ペルー国内および/または国外におけるCOVID-19予防接種回数の確認は、公的な身分証明書の提示と併せ、物理的または電磁的な証明書を通じて行われなければならない。
第3条 副署
当大統領令は、内閣首相、内務相、防衛相、外務相、保健相、法務人権相、開発社会包摂相、労働雇用促進相、通商観光相、交通通信相、教育相、経済財政相、エネルギー鉱山相、住宅建設上下水道相、農業灌漑相、生産相、女性・社会的弱者相、環境相、文化相により副署される。
補足条項
条文の廃止
大統領令第016-2022-PCMの第5条を廃止すること。
2022年9月29日、リマの大統領宮殿にて
ペルー共和国大統領
ホセ・ペドロ・カスティージョ・テロネス
(ソース: El Peruano 29/09/22)