ペルー北部に位置するランバイエケ州のチクラヨで、日本、米国、ペルーの研究者チームがシカン文化に属す約1000年前の5つの埋葬を発見した。EXITOSA(ペルー国内メディアの名称)のクルーが、この重要な発見を主導した日本の考古学者、松本剛氏に独占インタビューした。
ランバイエケ地方はその素晴らしい文化でペルーを驚愕させ続け、今回も新たな発見で私たちの目を奪った。シカン遺跡の大広場の中央部分で、1000年以上前の5つの埋葬が発見されたのだ。同州フェレニャフェ郡にあるポマックの森歴史保護区、この中心部に位置する発掘現場にEXITOSAが急行し、山形大学准教授で考古学者の松本剛氏に新発見の詳細をうかがった。
「私たちは、シカン遺跡群のうち“大広場(グラン・プラサ)”と呼ばれる場所の中心部にいます。2016年からこのエリアで発掘調査を行っています。これまで(私たちも含めて)考古学者たちの関心は、祭祀建築とその周辺の活動にばかり集中してきましたが、これからは何か新しいことをやろうと、一見平らで何もないこの広場に焦点を当てました」と松本氏は話す。
「しかし一度掘り下げてみると、さまざまな活動の痕跡が見つかりました。大規模な饗宴や金属製品を作る工房、捧げ物の埋納、埋蔵などです。今回見つかったのは、そういった一連の発見の最後のものです」
子供を含む5人の被葬者が発見された。また保存状態はあまり良くないが、シカンのエリート層と思われる被葬者のおおよその年齢を知る手掛かりは掴んでいるという。
「今年は4つの埋葬と1つの墓が見つかりました。(発見されたのは)子供が2体、若い成人が2体、織物師のものが1体です。精製土器やトゥミのような金属製の副葬品が出土していることから、エリート層に属しているものと推測されます」
また、墳墓からはトゥミ(儀式用のナイフ)も発見された。
「3つのトゥミを発見しました。うち1つは若い成人の遺体の上で、もう2つは織物師の墓から(ジェスチャーを交え)こんな風にクロスする形で。精製土器も数多く出土し、なかにはワコ・レイと呼ばれるものもありました」
8月8日から始まったこの発掘調査で、私たちは今日、その素晴らしい成果を目にすることができた。松本准教授が率いる当プロジェクトには、ペルーとアメリカの研究者も参加している。
(ソース: EXITOSAライブニュース 26/08/22)