クスコ地方文化局(DDC)は28日、世界遺産マチュピチュ遺跡の現行入場枠を保証すると共に、遺跡への入場については、誤解を招くような一部旅行代理店のオファーにより被害を受けている予約済観光客を最優先させると発表した。
DDCは下記の公式声明を通じ、認可済の各旅行代理店に対し、一日当りの入場枠超過を理由にさらなる観光客の招致を控えるよう要請している。
公式声明(2022年7月28日付)
マチュピチュ遺跡に関し、クスコ地方文化局は次のように通達する。
- クスコ地方文化局は、マチュピチュ遺跡の入場定員を確約し、まず第一に、予約登録された観光客がアクセスできるようにする。
- 独立記念祭の休日における社会争議を回避する目的から、マチュピチュ管理ユニット(UGM)の提案による例外的措置を講じると同時に、文化遺産の保全を確実なものとするための緊急対応策を発動する。遺跡の入場定員拡大については、UGMの審議で合意されたように、後ほど技術的な根拠に基づき評価されることになる。
- これらの“例外入場枠”は主に、誤解を招くような一部旅行代理店のオファーにより被害を受けた予約済の観光客向けになるため、遺憾ながら一般需要の増加には対応できない。旅行代理店や当局には、これ以上観光客を(マチュピチュ遺跡に)招致しないよう要請する。
- 独立記念祭の休日中に一般入場券の販売枠が増えた場合、クスコ地方文化局はマチュピチュ村での販売を実施する見込みであるが、遺跡入口での販売は行わないものとする。
- 遺跡に入場しようとする観光客には、文化遺産を損なうことのないようしかるべき配慮を求める。また、社会争議の激化や遺跡への暴力的な威嚇を避けるため、当局が善処するよう要請する。そのような手段は遺産の破壊につながるだけでなく、訪問者を危険にさらすことになりかねない。これらはペルー人として回避すべき事態である。
「遺産なくして観光なし」
2022年7月28日、クスコにて
参考情報
ロベルト・サンチェス通商観光相は27日夜、今月17日に承認されたばかりのマチュピチュ遺跡入場定員をさらに1000人増やし、一日当り5044人まで拡大すると発言。この判断により、観光繁忙期にあたるクスコの現状を克服できるとしている。
マチュピチュ村(旧アグアス・カリエンテス)では現在、ペルー人を中心に、一日当り平均1500人が遺跡入場券不足のあおりを受けている模様。係る状況を避けるため、クスコ地方文化局は訪問者に対し、クスコ市内での入場券購入を示唆している。
(ソース: Andina 28/07/22)