イタリアのミネストローネから生まれたペルーのMenestrón(メネストロン)。本家本元のミネストローネより具材がたっぷりなことから、“-ón” という指大辞がついています。
ところでこの材料を見て「おや、これはどこかで・・・」と思った方、するどい!そう、これはペルーのグリーンパスタ、タジャリネス・ベルデスとほぼ同じなんですよ。
イタリア移民がペルーにミネストローネを持ち込んだ時は、恐らくトマトベースだったはず。でも同時期に伝えられたジェノベーゼをペルー風に改良してしまったペルー人は、そのグリーンのペーストをスープにまで入れてしまいました。イタリアのトマトソースにもニンジンを加えてしまった(タジャリネス・ロホス・コン・ポヨ参照)ように、当時のペルー人はトマト独特の酸味がちょっと苦手だったのかもしれませんね。
牛肉のうまみとバジルの風味、チーズのコクがなんともいえぬ美味しさのミネストロン。これでもか!というくらいたくさんの具材が入っている、私のお気に入りスープのひとつです。
【材料】2人分
- 骨付き牛肉 400~500g
- タマネギ 1/4個
- ニンニク 1片
- バジルの葉 ひとつかみ(30~35g)
- ほうれん草 15g(バジルの1/2くらい、入れなくても可)
- ケソ・フレスコ(カッテージチーズでも可) 50g
- パルメザンチーズ 30g
- カヌート(またはリガトーニ) g
- トウモロコシ、ユカ芋、ジャガイモ、ニンジン、セロリ、ポロネギ、カボチャ、大根、キャベツ、インゲン、そら豆、グリンピース、パジャール(ライマメ)、フレホル(インゲン豆)など各30~50gずつ(だいたいでよし)
- カルド・デ・レス(ビーフブイヨン)または水 適宜
- オプション:パルメザンチーズ、オリーブオイル、バジル
【作り方】
1、調理の前日に、たっぷりの水にパジャール豆やフレホル豆(以下:マメ)を一晩浸けておく。時間があれば、調理開始前に豆類を煮ておくとベスト。
2、鍋に適当な大きさにカットした骨付き牛肉と塩少々、水800mlほどを入れてて火にかけ、骨から肉が離れるくらい柔らかくなるまで中~弱火で1時間ほど茹でる(圧力鍋を使ってもよし)。
3、荒くカットしたタマネギとニンニクをフライパンでじっくり炒める。火が通ったらざく切りにしたほうれん草を加えて炒める。
4、ミキサーに3とバジルの葉、パルメザンチーズを入れ、水(分量外)を100mlほど入れて滑らかになるまでよく攪拌する。ここにケソ・フレスコを入れてミキサーにかけてもいいし、仕上げに角切りにしたものを加えてもいい。
5、具の野菜をカットする。トウモロコシは輪切りに、ユカ芋は棒状に、ジャガイモは1/4ほどの大きさにカット。その他の野菜は小さめの角切り、または細切りにしておく。
6、2の牛肉が柔らかくなってきたら豆類を始め、火が通りにくい野菜からどんどん加えていく。ジャガイモやカボチャの煮崩れが気になる人は、別茹でしたものを最後のほうに加えて。そら豆も意外と早く火が通るので後半で加えよう。
7、野菜の火の通りを見ながらカヌートを加える。パスタがスープを吸うので、水分が足りないと思ったらカルド・デ・レスを適宜加えて。
8、すべての具に火が通ったら4を加え、塩コショウで味を調えてできあがり。仕上げにバジルの葉やパルメザンチーズ、オリーブオイルをたらして頂こう。
【Keikoからのひとことアドバイス】
作るたびに、ペルーの食の豊かさに感謝したくなるメネストロン。食べ物が豊富って本当にありがたいなぁと、しみじみ思います。
とはいえメネストロンのためだけにすべての材料をそろえるのはさすがに不経済なので、冷蔵庫の在庫と相談してくださいね。個人的にはジャガイモとカボチャ、セロリ、ポロネギがあれば十分だと思います。そら豆と大根もオススメですが、なければないで問題ありません。
あとパルメザンチーズ入りのバジル液を加えた後は、チーズが鍋底に溜まらないようよくかき混ぜてください。バジルの香りを楽しむため煮込みすぎは禁物。またはアグアディート同様、バジル液を一部取っておいて、仕上げに加えてもいいかもしれません。
栄養満点な濃厚スープ、バジルの香りが食欲をそそる一品です。