マサモラ・モラーダはペルー人にとりわけ好まれるスイーツで、家庭の食卓から高級レストランまで制覇するほどの人気があり、さらにこの国のストリートフードの立役者でもあります。でも、ペルーのマサモラはこの一種類だけではありません。
ペルーの豊かな食文化は、この伝統的なスイーツのバリエーションを数多く育んできました。抗酸化作用のある紫トウモロコシ(maíz morado)ベースのクラシカルなマサモラ同様、マサモラの多くにはスーパーフードが使われ、おいしいだけでなく栄養満点なデザートにもなっています。
何世代にもわたって受け継がれてきた伝統的なレシピから、これこそペルーの味と言える5種類のマサモラをペルー貿易観光促進庁(Promperú)が紹介しています。
MAZAMORRA DE COCHINO
マヌエル・アセンシオ・セグラによるペルーの古典演劇作品「ニャ・カティータ(1845年初演)」や、リカルド・パルマの「ペルーの伝統(1872年初版)」にも登場するほど人気のスイーツです。オリジナルレシピに豚のラード(コチーノ)が含まれていたため、この名が付きました。トウモロコシの粉やチャンカカ(未精製の黒糖)、クローブ、アニスから作られ、飾りにピーカンナッツを使うこともあります。
MAZAMORRA DE MACA
マカは古くから心身のバランス回復や滋養強壮、持久力アップのために用いられてきました。また、高血圧のリスク低減にあたり重要な栄養素となるカリウムを多く含み、健康的な体重や血圧の維持につながるとされます。マサモラ・デ・マカは、茹でたマカでも、粉末やパウダー状のマカでも作ることが出来ます。
MAZAMORRA DE QUINUA
すべてのマサモラがスイーツとして食べられているわけではありません。キヌアはタンパク質、不飽和脂肪酸、ミネラル分(カルシウム、鉄、マグネシウム)、ビタミン類(E、B1、B2、ナイアシン)、リンを含む栄養価の高いシリアルで、朝食の一部として用意されます。
MAZAMORRA DE MAÍZ BLANCO
パラカイの名でも知られるジャイアントコーンは、栄養価が高く消化吸収に優れた穀物として、ペルーでずっと昔から食べられているスーパーフードであり、マサモラやアピ(※インカのデザートと呼ばれるトウモロコシの飲み物)はこのトウモロコシの最も伝統的な食べ方のひとつとされています。ジャイアントコーンはペルー特有のトウモロコシで、たんぱく質を始め、カルシウムや鉄、リンなどのミネラル分のほか、良質な炭水化物が含まれています。
MAZAMORRA DE TOCOSH
アンデス地方に古くから伝わる技術を用い、ジャガイモやトウモロコシ、オユコ(Ullucus tuberosus)、オカ(Oxalis tuberosa)、アランカチャ(Arracacia xanthorrhiza)などを藁やイチュ(Stipa ichu)に包んで井戸の内部で何か月も発酵させて作る保存食品がトコシュです。これを使ったマサモラ・デ・トコシュはおいしいだけでなく、栄養価が高く病気にも効くとされます。
マサモラの5つのバリエーションについてはもう分かりましたね、次はご家庭やレストラン、お気に入りの屋台でいろいろなマサモラを試してみてください。それでは、¡Buen provecho(いだだきまーす)!
※マサモラ(mazamorra): ラテンアメリカやスペイン(コルドバなど)に古くから伝わるゼリー状の菓子。国や地方により様々なバリエーションがある。
(ソース: ペルー貿易観光促進庁/Promperú)