プーノの歴史と伝統は、インカ帝国の始祖マンコ・カパックとその妻ママ・オクーリョがティティカカ湖に降臨した神話の時代までさかのぼります。また国際ジャガイモセンター(CIP)によると、約8000年前に世界で初めてジャガイモが栽培された痕跡がティティカカ湖の北側で見つかっています。
悠久の歴史、自然とのつながり、地元民の人柄、唯一無二の地形。これらが数千年にわたって伝統や習慣を紡ぎ、今日ではプーノのアイデンティティの一部を形成しています。この地域に今でも残るいくつかの伝統について、ペルー貿易観光促進庁(Promperú)が次のように紹介しています。
LA PANDILLA PUNEÑA
地域ごとに独自の風習で催されるカーニバル。プーノの場合、この特別な日をパンディージャ・プニェーナのリズムで祝います。これはすべての村が参加して盛大に行われるダンスで、伝統衣装に身を包んだ男女が対になって踊り、にぎやかな雰囲気を楽しみます。ティティカカ湖のほとりに佇む風光明媚なプーノが発祥のパンディージャ・プニェーナは、1907年のカーニバルで正式に発表され、2012年には国家文化遺産に登録されました。
https://youtu.be/4Pjn-xEt7Gg
LOS SIKURIS
シクリとは、アンデス地方の木管楽器「サンポーニャ」のアイマラ語名で、この楽器を演奏するグループのことを伝統的に「シクリス」と呼んでいます。パンフルートに似たシクリは、プレヒスパニック期から使われていたチューブ状の楽器が元になっており、最も古いケースでは、リマ太平洋岸の世界遺産、カラル=スーペ文化の遺跡から5000年前のものが出土しています。シクリスは単にシクリを奏でる音楽グループというだけでなく、プーノのアイデンティティとして地元に溶け込んだ存在になっています。
https://youtu.be/jNkIXwdxnbY
EL ARTE TEXTIL TAQUILE
ティティカカ湖に浮かぶタキーレ島は、伝統的な織物の工芸で知られています。時の経過にもかかわらず、インカ以前の技術が失われることなく今に引き継がれているのです。この美しい織物は、手織りもしくはプレヒスパニック期の足踏み式織機で作られています。この島の織物職人たちの衣服で特に有名なものとしては、チューヨ(アンデスの耳当て付き帽子)と、祭礼や農耕に関する年次周期などを模様で表現したチュンピ(暦の帯)が挙げられます。2008年以来、タキーレ島の織物はユネスコの無形文化遺産リストにも加えられています。
TORITO DE PUCARÁ
プカラの牛は、プーノ州ランパ郡プカラ地区特有の陶器です。その起源は謎に包まれているものの、いろいろと説はあります。最もよく知られているのは、その昔プカラが深刻な干ばつに見舞われ、村人の生命や農作物に危険が及んだ際、村の農夫がパチャカマック神に水を捧げようと思い立ち、井戸まで牛を連れて行こうとしたところ、牛が暴れて角が大地に突き刺さり、そこから水が噴き出して村人全員が救われたというもの。プカラの牛はそれ以来、悪い気を払い繁栄を呼び込む目的で家々の屋根に置かれるようになったといいます。
MANCO CAPAC Y MAMA OCLLO
1668年11月4日に建都されたプーノの街では、この記念日を祝い、インカ帝国創世神話の主人公であるマンコ・カパックとママ・オクーリョがティティカカ湖に降り立った様子を毎年再現しています。また祝賀行事の一環として、パチャカマック神に感謝を捧げる儀式や、プーノを「ペルー民族舞踊の中心都市」にするためのダンスフェスティバルが行われます。
世界で最も標高が高く航行可能な湖「ティティカカ湖」を擁すプーノ州。以上に述べた5件は、プーノの伝統や興味深いデータのほんの一部に過ぎません。次の旅行先はプーノに決めて、その秘密や歴史、文化をもっと追及してみましょう。
(ソース: ペルー貿易観光促進庁/Promperú)