ペルー人なら、フルーツで作った「マルシアーノ」がない夏なんて想像できませんよね。イチゴにルクマ、パイナップル、オレンジ、ブドウ、パッションフルーツ、チョコレート、ミルク入り、ミルクなしを始め、あらゆる風味が勢ぞろい。冷たくて甘いその味は、うだるような夏の暑さを乗り切るのにはうってつけ。でも、どうしてそう呼ばれるのか考えてみたことはありますか?
フルーツベースの氷菓は、国や地域によって色々な名前で呼ばれています。中でもナランフー、ビキンゴ、ボリ、ボロ、イエリート、クボ、チュピチュピ、サボリン、バンビーノ、ボリョス、ドゥーロス、ドゥーロ・フリオ、ラスパイート、マルシアーノス、チュプス、エラード・エン・ボルシータ、サバリート、チャラムスカなどは定番ですが、たぶんもっと多くの呼び名があるでしょう。
このうち「マルシアーノス(火星人)」は、主にペルーやコロンビア、キューバ、メキシコ、パナマ、ベネズエラで使われている一般的な名称です。なので、先ずはペルーだけの呼び名ではないことを知っておきましょう。今までのところ、夏になると街のどの雑貨店でも自家製のマルシアーノスが普通に手に入りました。とても美味しいんですよ!
そんなマルシアーノスですが、ペルー国内でも別の名前で呼ぶ地域があります。タララではチャラカ、ピウラではボドケス、さらにリマではマルシアーノスのほかにチュプスと呼んでいます。リマの名称の相違については、着色料を用いて工場で生産されたものをチュプス、フルーツの果肉や果汁から作られたものをマルシアーノスと呼ぶという説があります。
「火星人」の由来
フルーツのアイスバーがなぜこう呼ばれるようになったのか、未だ決定的な答えは見つかっていないのですが、その由来には様々な説があります。そのうち最もポピュラーなものを紹介しましょう。
そのひとつは、このアイスバーの見た目が、異星人をテーマにした映画「E.T.」に出てくる宇宙人の長い指に似ているからだというものです。他にも、ミント味の緑色が宇宙人や火星人を連想させたという説もあります。宇宙船が描かれている袋もありましたからね。火星は凍てついた惑星なので、フルーツの「氷菓」と結びついたのでしょうか。
一風変わった名前の由来はともかく、その作り方は超簡単。お好みのフルーツ果汁を用意し、どこでも手に入るチューブ状の袋に入れてパックします。それを冷凍庫で少なくとも4時間(冷蔵庫の性能や中身にもよりますが)凍らせたら、暑さを和らげてくれる氷のような食感に仕上がります。さあ、美味しいフルーツで作ったマルシアーノスを心ゆくまで味わいましょう!
(ソース: ペルー貿易観光促進庁/Promperú, 出典: Letras al mango/Jhosef Farias)