ペルーを代表するアンティパストのひとつ、パパ・ア・ラ・ワンカイーナ。茹でたジャガイモに色鮮やかなチーズソースをかけた、ペルー人が大好きな一品です。
「ジャガイモのワンカヨ風」の名の通り、この料理はペルー有数の穀倉地帯であるフニン州ワンカヨで誕生しました。ワンカヨ在住のある料理上手な女性が、リマとワンカヨを結ぶアンデス中央鉄道の建設に携わっていた工夫たちへ差し入れた弁当がその始まりと言われています。工夫たちの過酷な労働環境に心を痛め、彼らが少しでも元気になるようにと思ったんでしょうね。
この料理が工夫たちに振舞われていた19世紀当時は、アンデスで日常的に使われるトウガラシ、ロコトで作られていたそう。しかしその評判が首都リマに伝わったことで、ロコトからリマっ子が愛してやまないアヒ・アマリージョに置き換えらえ、今の形になりました。それでいうと「パパ・ア・ラ・リメーニャ(ジャガイモのリマ風)」となってしかるべきですが、そこは心優しきセニョーラを称えたということなんでしょうね。うん、いいお話だなぁ。
【材料】2人分
- ジャガイモ 2個
- ケソ・フレスコ(カッテージチーズでも可) 80g
- アヒ・アマリージョ 3本
- タマネギ 1/4個(50g)
- ニンニク 2片
- クラッカー 2~3枚
- エバミルク、または牛乳 50~60ml
- オリーブオイル 大1~2
- レモン果汁、塩・コショウ 少々
- 付け合わせ:ゆで卵、ブラックオリーブ、レタス 適量
【作り方】
1、ジャガイモを茹で、食べやすい大きさに切っておく。ゆで卵をスライスしておく。
2、アヒ・アマリージョの種と胎座(筋)を取り、大まかにカットする。タマネギも同じようにカットし、ニンニクも3~4つに切っておく。
3、フライパンに油(分量外)を入れ、2の野菜を入れて炒める。焦げないよう気をつけつつじっくり火を通したらミキサーに入れる。そこにケソ・フレスコとクラッカー、エバミルク、オリーブオイルを加えて滑らかになるまで混ぜる。ほんの少しのレモン果汁を加えるとさっぱり仕上がる(入れなくても可)。
4、ジャガイモに3のソースをたっぷりかけ、レタスやゆで卵、ブラックオリーブを添えて出来上がり。
【Keikoのひとことアドバイス】
上記レシピは日本人好み、ペルー人ならクラッカーもオリーブオイルももっと多いと思います。「ジャガイモがワンカイーナソースで溺れる状態じゃなきゃ!」という人は、お好みで量を増やしてくださいね。
ソースが余ったら、パスタやリゾットに転用しちゃいましょう。ペルー人に人気なのはfetuccini a la huancaína(フェトチーニ・ア・ラ・ワンカイーナ)でしょうか。幅のあるフェットチーネにソースが絡んで食べ応えも十分。ここにソテーした牛肉を添えたら、来客時にもぴったりのゴージャスなメニューになります(いずれ作りますね!)
何に合わせても間違いなく美味しいワンカイーナソース。ヘルシーに仕上げたい人はクラッカーなしでも大丈夫ですよ。ご自身のアイデアで素敵な一品を作ってみて下さい。
2022年5月25日追記:アヒ・アマリージョのペーストを使う場合は、大さじ2で。タマネギとニンニクだけ炒めてほかの材料と一緒に直接ミキサーに入れてください。