Sopa Criolla ソパ・クリオージャ

Curiollo/a(クリオージョ/クリオージャ)とは、criar(育てる)という動詞から派生した言葉で「特定の地域で育った人」という意味。ペルーでは転じて「植民地で生まれ育ったスペイン人(白人)」を指す言葉になりました。

ペルー生まれのクリオージョたちは本国生まれの両親同様、支配階層の一員として振舞う一方で、見知らぬ祖国より自分たちが生まれ育ったペルーという地に誇りと愛着を感じるようになります。「たとえ肌の色は白くとも自分たちはペルー生まれのペルー人であり、こここそが我が母国。ペルーに根付くさまざまな文化風習をまとめ上げ、我々が主役のクリオージャ文化を築いていこう!」

こうした動きが後にスペインからの独立運動へとつながっていくのですが、その話は横に置いて。今回はそんな誇り高きクリオージョたちが生み出した、misturaの国ペルーらしい一品をご紹介しましょう。

その名もずばり、クリオージャスープ。スペイン伝統のスープであるsopa de ajo(ソパ・デ・アホ/ニンニクスープ)と、トウガラシを多用するアンデスのchupi(チュピ/ケチュア語でスープの意)のいいとこ取りをした、私のお気に入りのスープです。ついでにスペインに次いで多く入植したイタリアの食文化であるパスタも投入!あぁ、なんてペルーらしいんでしょう!

【材料】2人分

  • 小さくカットした牛の赤身肉 150g
  • タマネギのみじんぎり 1/4個分
  • ニンニクのすりおろし 小1
  • アヒ・パンカ 大1.5~2
  • 種を取り除き小さくカットしたトマト 1/2個分
  • トマトペースト 大1/2
  • カルド・デ・レス(ビーフコンソメ) 1リットル
  • エバミルク(なければ牛乳) 100ml
  • カッペリーニ(極細パスタ) 80g
  • 卵 2個
  • バゲット お好みで
  • クミン、オレガノ、塩コショウ 適量

【作り方】

1、アデレソを作る。鍋に油を敷き、たまねぎのみじん切りとたまねぎの水分を引き出すための塩ひとつまみを入れて炒める。たまねぎが透き通ってきたらニンニクを加え、次にアヒ・パンカペーストを入れてよく炒め合わせる。軽く塩コショウとクミン、オレガノを加えて炒めたらアデレソのできあがり。

2、1に牛肉を入れてよく炒め、カットしたトマトとトマトペースト、クミン、オレガノを入れてさらに炒め、カルドを加えて煮立たせる。

3、スープを加熱している間に、別のフライパンで目玉焼きを2つ焼く。またバゲットを軽くトーストしておく(オリーブオイルを塗るとさらによし)。

4、スープが煮立ったらパスタを入れる。パスタが茹で上がったらエバミルクを加え、最後に塩コショウで味を調えて出来上がり。追加でオレガノを加えるとなお良し。スープ皿に盛り、その上に目玉焼きを乗せバゲットを添えて頂こう。

【Keikoのひとことアドバイス】

パプリカの代わりにアヒ・パンカを使うところはペルー的、卵やパンを合わせるところはソパ・デ・アホにそっくりというソパ・クリオージャ。我が家では飲んだ翌日のランチによく登場するラーメン的存在で、その時々の気分でスープやパスタの量を増やしています。2の段階でカットしたジャガイモを加えると、食べ応えもぐんとアップしますよ。

注意点としてはパスタがスープを吸ってしまうので手早く仕上げることと、ミルクを加えた後は煮立たせないこと。仕上げに追い鰹ならぬ追いオレガノを加えると最高です(オレガノは両手で軽く揉んで香りを出してから入れてくださいね)

余談ですが、ペルーにはsopa a la minuta(ソパ・ア・ラ・ミヌータ)というソパ・クリオージャにそっくりなスープもあります。カットした牛肉の代わりにひき肉を使ったり、目玉焼きではなく溶いた卵をスープに加えたり(かき卵スープの要領)。もっと手早く簡単に仕上がるということからsopa a la minuta(分でできちゃうスープ)と名付けちゃうなんて、もうセンス抜群ですよね!