2021年ペルー大統領選挙・国会議員選挙

三寒四温の信州の春。朝晩はまだ零度近くの日も多く、ストーブや暖炉が欠かせない。それでも、日中に陽が差せば最高のお散歩日和を楽しむことができる。なーんにもない山間の限界集落にも、春は確実に訪れる。

気が付けばもう4月11日、あと数時間で2021年ペルー大統領選の投票が始まろうとしている。コロナのブラジル変異株が蔓延するペルーでは、1日当たりの死者数が4月9日にとうとう380人を超えてしまった。ただこれはあくまでも保健省の公式発表に基づく数字なので、実際はこの2~3倍に達しているだろう。そんな状況にもかかわらず、ペルーでは(一部を除き)国民全員が投票しにいかなければならない。国民皆投票制とは本当にやっかいなものだ。

とはいえ投票日の防疫対策に関しては日本よりよほど進んでいるし、もっとシンプルで合理的。密を避けるため各投票所の最大入場者数は通常定員の30~50%、高齢者や障害者、妊婦など感染リスクの高い人には混雑の少ない午前7時~9時の来場を勧めている。それ以外の一般市民は、DNI(身分証明書)番号の末尾の数字ごとに投票時間を1時間ずつスライドするらしい。好きな時間に家族そろってやってくるであろう人々を番号別に制御するなどほぼ不能と思われるが、やらないよりはずっとましだ。

投票所でのマスク着用に加えて入場前の検温や手足(靴裏)の消毒、1.5m以上の社会的距離の徹底、投票用の青色インクペンの持参を促すなど、国民に対する指示がとにかく具体的でいい。また本人確認のため、場合によっては有権者にマスクを(あごの下まで)下げさせる必要が生じるが、その時も「息を止めながらマスクを下げるよう」保健省のサイトに明記されている。そして極めつけは「Vete inmediatamente después de cumplir con tu deber ciudadano(市民の義務を果たしたらすぐ立ち去れ)」と。いいね~!そうそう、さっさと立ち去らないと!

田舎暮らしは本当に穏やかでお気楽そのものだが、日本特有の曖昧さや非論理的思考に違和感を覚えることも少なくない。21世紀になってもあいかわらず精神論が幅を利かせているし、うだうだいうだけで本質に触れずごまかすようなことばかり。この忖度文化は何とかなりませんかねぇ?

だからこそ「投票は義務だが、終わったらさっさと帰れ。お前ら、感染拡大させんじゃねー!」という直球の一文はすがすがしく、「ペルーってこういうとこがいいよな~」と思うのである。ということで、気になるペルーの大統領選の行方。ペルー人の皆様、どうかよく考えてペルーの未来を託せる人物に投票されんことを!

ペルーパンデミック391日目

ペルー保健省発表4月9日COVID-19関連国内統計

  • 感染者数累計 1639767人(前日比+11248)
  • 死者数累計 54669人(+384)
  • 既検査数累計 9945732件(+69310)
  • 陽性率 16.49%↓
  • 死亡率 3.334%↑
  • 入院患者数 14943人(+744)
  • 上記の内ICU患者数 2321人(+8)
  • 回復患者数 1557779人(+9972)

直近一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)

  • 4月9日 11248人(384)
  • 4月8日 10655人(307)
  • 4月7日 9966人(253)
  • 4月6日 9305人(314)
  • 4月5日 8384人(273) 
  • 4月4日 7842人(261)
  • 4月3日 8406人(252)
  • 直近7日間平均 9400.9人↑(292↑)
  • 直近7日間の陽性率 14.23%↑ ※累計比
  • 直近7日間の感染者数合計 65806人↑(前日比5632↑)
  • 直近7日間の死者数合計 2044人↑(前日比90↑)

(ソース: MINSA 4月10日)