ここ最近、古いアルバムの整理をしている。訪問場所や当時の感想などを記載した台紙ごと写真をスキャンすることで、数百枚の写真がわずか100MB前後になるのだからやらない手はない。長い間、わざわざペルーにまで持参した大切な学生時代の思い出を処分できずにいたが、その踏ん切りがついたのはコロナのおかげだ。「コロナでよかったと思える小さなこと」を増やすよう心掛けたいと思う。
私の初の海外は、大学1年で訪れたグアムだった。大学生活を前に、期待に胸を膨らませていた高校3年の春。母に「これからは自分で管理しなさい」とお年玉を貯めてきた通帳を渡されていたことも災いした。そんな無垢な高校生に狙いを定め勧誘していたのが、大阪梅田の駅前でブイブイいわせていた某英会話スクールのお兄さんだ。「今入学したら、もれなくグアム旅行に行けるよ」「英語を活かせるチャンスだよ」と甘い言葉をささやかれ、気が付いたらハンコを押していたのである。
その後いろいろ問題があって半年ほどで通わなくなった私のもとには、返済義務だけが残った。契約時に一括払いか36か月払いかしか選択肢がなく、後者を選んだのが運のツキ。後になって初めてローンの仕組みを理解し、複利の恐ろしさを学んだというわけである。ただ若い頃に苦い経験ができたのはよかった。一括で買えないものは買わない、それは現在も心掛けている。
話をグアムに戻そう。正直に言うと、このグアム旅行には何のときめきもなかった。当時のグアムは今からは想像できないほど田舎で、ホテルやショッピングセンターもまばら。道には屈強なチャモロ人労働者があふれており、引率スタッフからは「危ないから日中でも一人で出歩くな」と言われていた。遠浅の美しい浜は巨大ナマコで埋め尽くされ、とても裸足では歩けない。その上スクールの友達とずっと一緒にいたもんだから、英語を話す機会すらなかったのだ。一番の思い出は、グアムでなくても体験可能なガンシューティングというお粗末さ。入会の餌として用意された旅行だけに、英会話力向上云々より無事に連れ帰ることだけに主眼が置かれていたのだろう。まぁ世の中こんなものである。
楽しくはあったが、ときめきはなかった初の海外旅行。グアムの歴史に触れることもなく、あの素晴らしい自然さえナマコに阻まれ満喫できなかったのだから、それは当然かもしれない。それでも初めて手に入れたパスポートをスタンプで埋め尽くしたいという思いだけは残った。子供のころから大好きだった「兼高かおる世界の旅」と「日立 世界ふしぎ発見!」に未来の自分を重ねつつ、バイトに励む日が続いた。
ペルーパンデミック352日目
ペルー保健省発表2月28日COVID-19関連国内統計
- 感染者数累計 1332939人(前日比+3134)
- 死者数累計 46685人(+191)
- 既検査数累計 7604514件(+19815)
- 陽性率 17.53%↓
- 死亡率 3.502%↑
- 入院患者数 15040人(-71)
- 上記の内ICU患者数 2153人(+3)
- 回復患者数 1236668人(+4140)
直近一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 2月28日 3134人(191)
- 2月27日 5942人(195)
- 2月26日 7500人(205)
- 2月25日 7641人(191)
- 2月24日 7923人(220)
- 2月23日 7302人(196)
- 2月22日 6740人(224)
- 直近7日間平均 6597.4人↓(203.1↑)
- 直近7日間の陽性率 14.31%↑ ※累計比
- 直近7日間の感染者数合計 46182人↓(前日比-314↓)
- 直近7日間の死者数合計 1422人↑(前日比25↑)
(ソース: MINSA 3月1日)