先週、日本でペルー特番が放送されたという話を聞いた。facebookでも友達がその番組を紹介していたので、のんびりだらりの日曜の午後に、お茶を飲みながら拝見した。
よくまあこの広いペルーをこれだけ回って取材したもんだ。出演者や取材スタッフ、そして現地コーディネーターもさぞや疲れたことだろう。クスコやナスカだけでなく、イキトスの奥地や標高4000mを越すアンデスの山村にも足を運んでいる。その移動距離の凄さが実感できるだけに、本当に頭が下がった。
しかしながら、ペルー料理に関してはお粗末だった。ペルー料理はもっと素晴らしく、奥深いものなのに!知られざるペルーをもっと日本に伝えたいと日々思っている者として、大変勝手な独り言としてここにほざかせて貰う。
まず、「カルド・デ・ガジーナ」はそのスープの濃厚な味わいを楽しむものだ。なのに「ガジーナは何か」とか「スープを仕込むのに何時間かかるか」という話がまったくないことに驚いた。また、麺はどちらかというと付属品だ。コシなどない、ただのふにゃふにゃ小麦麺だ。スープをたっぷりと吸っているからそれはそれで美味しいし、私も好きだけど、あれをラーメンというのは日本の麺職人に対してあまりにも失礼だと思う。というか、スープを褒めろよ。ポイントがずれてるよ。
あー、思い出したらどんどん言いたくなってきた。
リマの一般家庭で飲んでいたものは、グレープジュースじゃなくてチチャモラーダじゃない?茹でトウモロコシにアヒソースを掛けて食べるのは、デザートじゃなくて前菜じゃない?お米にトウモロコシを入れて炊くのはありだけど、あれはあの家庭の味であって、どの家庭でもというほど一般的ではない。加えて、私も大好きなアヒ・デ・ガジーナを「鶏のマヨネーズ和え」と表現するのはどうよ。何のために材料を紹介したんだ?
せめて「鶏のトウガラシクリーム和え」と言えんか?
出演者のボキャブラリーの貧困さには泣きたくなる。今はああいうのしかおらんのか。加えて、口にモノが入ったまましゃべるあんな下品な食事マナー、昔の日本にはなかったし、許されなかったはずだ。ペルー人でもそんな汚い食べ方はしない。とにかく見苦しい。日本ではバカなまねをしてもウケるけど、海外では知性と教養のない人としか見られないのだよ。ペルーを紹介しようとして、日本人の品性を貶めるのは止めてほしい。
えーい、ついでだから言わせてもらう。
リマの中~上流階級の家庭の年収と、アンデスの山村に暮らす家庭のそれをテロップに出したことについて。せっかくいいところに着目してるのに、なぜそれについてのコメントがないの?
ペルーは完全な階層社会。人種や暮らす場所によって、同じ国とは思えないほどに違いがある。月額最低給与が約2万7000円の国で、白人家庭の年収は450万円以上、アンデスに暮らすインディヘナはその1/45にも満たないたったの10万円。このどうしようもない厳しい現実の中で生きる彼らの生活について、少しだけでいいから触れて欲しかった。そうでなきゃ、彼らが振舞ってくれたあのスープがどれほど貴重なものだったか、まるっきり伝わらないと思うのだ。
アルパカを飼育する人々にとって、アルパカは何よりの財産。それを潰すのは、アルパカが年をとってよい毛が取れなくなった時か、どうしても纏まった金が必要な時、そして年に一度の祭りの時くらいだ。そういう背景をちゃんと理解していれば、彼らの食事についてもっとコメントのしようがあったはず。あのスープを日本人に出すことで、彼らが次にあれを口するのはいつだろう?そういう貴重なものを日本人に振舞ってくれたという事実を、スタッフは理解して欲しい。
4月にもまたペルーを紹介する番組があるようだ。今度はどんな内容だろうか。それはそれで楽しみである。しかし、もし「すげー!」としか言えないなら、ナレーションだけで番組をつくったほうがいいと思う。
あの番組は残念でしたね。他の番組に比べて、目の付け所が違うだけに、一層、残念です。自分のブログでも、たっぷり書こうと思いましたが、あまり、突っ込んでも、わかってくれる人もいなそうなので、やめました。
イキトスだって、あんなに、奥地まで行って、あれだけ?あれなら、動物園で撮影しても変わらないよ、なんてつぶやいてました。”俺ならもっと、紹介できるよ”ってテレビの前でブツブツ、、、。
でも、このブログで、突っ込んでくれたので、スッキリしました。
イキトスに関しては残念でしたね。あんなに奥地に行って・・・まさにジャングル専門家のtanakaさんからすれば「何をやってるんだ!」という感じでしょう。野生動物に関しては当たるも八卦、ですが、でもね。ペルーグルメを取り上げてくれたのに、ノルテの紹介がなかったことも残念でした。2時間もあればあれもこれも紹介できるだろう・・・と欲張ったのでしょうけどね。ペルーは奥が深いのです。舐めてもらっては困ります。
こんにちは。
やっぱり、大将は厳しいですね。
所詮、日本から何の知識もなく来ても、大した
取材もできなければ、番組もできないんだろう
と思います。
私が海外を紹介する番組で一番嫌いなのは、
何か買い物をして、「うわぁ~安い!」という
コメントです。でも、私からすれば、決して安い
値段では買ってない。日本の物価からすれば
安いんでしょうが、まず、現地の人の収入を
考えろよと思います。
そういう私も、Caldo de Gallinaが何たるかが
分かっておらず、注文する際には、必ず、
Una porcion de arrozを頼み、中の具を食べた
後、ご飯を投入し、「おじや」っぽく、食べている
のです。すみません。
遠く離れた異国を取材し1本の番組を作る大変さは、わずかながら分かっているつもりです。ましてやその地に住んでいる者からすれば、「どうせならここを紹介すればいいのに」と臍を噛むことも少なくありません。その国の文化を理解しきれないのは仕方がないけど、とにかくバカを出すのは止めて欲しいです。そして相手国へのrespetoを。それがあれば、不用意な「安い」発言もなくなるのではと思います。ちなみに「おじやバージョン」はありだと思います。あのスープをいかに堪能する(直接飲む、麺やご飯に滲み込ませるなど)かが重要と、勝手に思い込んでいます。
そういえば「電波少年」だっけ、
フジモリさんが現職大統領だった時に女芸人がウエディングドレス姿で「結婚してください!」と突撃。あまりの失礼さに顰蹙買ったのは…
その後この番組、バリ島でも大変失礼なことやってくれて、日本のバリ芸能関係者激怒。一丸になって激しい抗議をした結果、一切の謝罪はなく唐突に番組打ち切りになりましたっけ。
どこぞでも書いたけど、今の日本のテレビってそんなもん。「あはは~ウケる~」「マジやばい~」「ばりすごい」連発のお子ちゃまが番組スポンサーのターゲットなんだそうです。
知性ある大人が見るに堪えるものを期待するのが無理ってもんなのかもしれません。とほほ…
そんなバカなことしてたんだ!日本人(というかマスコミ?)って精神的にも本当にガラパゴスなのね。どういう状態でも尊重すべき人というのはいるもの。というか礼儀知らずもほどほどにしてほしい。