5月1日(金)AB-ROAD海外ガイド記事に アヤクチョの記憶博物館“繰り返さないために” が掲載されました。
1980年5月17日、ペルー極左武装組織センデロ・ルミノソの武装蜂起で始まったペルーのテロ時代。20年に及ぶ破壊と暴力の歴史の中で、最も被害を受けたのがアヤクチョの人々でした。テロ時代の死者・行方不明者はおよそ7万人、そのうち40%がアヤクチョに集中しており、今もなお行方不明になった家族の安否を問い続ける家族が大勢います。
アヤクチョにあるEL MUSEO DE LA MEMORIA “PARA QUE NO SE REPITA”(記憶博物館 “繰り返さないために”)は、ペルー初の紛争犠牲者博物館として在ペルードイツ大使館や人権団体の支援によって建設。テロ時代に誘拐などで夫や息子、子供を奪われた妻や親族によって結成されたANFASEPという団体が管理、運営しています。館内に飾られたANFASEPメンバーの写真はそのほとんどが女性、すなわち犠牲者の母親たちなんですね。真相を解明する前に他界した人もおり、写真の角に貼られた黒いリボンが深い悲しみを伝えています。
テロリストはもとより、軍の非人道的な行為に怒りを覚えつつこの紹介記事を執筆しました。一方コロナ禍の今、ペルー国軍の兵士たちは24時間体制で治安維持活動に従事しています。国境を含む各地を警備、法令違反者の取り締まりや徒歩で故郷へ帰ろうとする地方出身者の保護、貧困地区への食糧配布なども行っています。若い兵士を中心に献血活動にも参加、「非常事態宣言以降(任務のため)一度も家族に会っていません」というインタビューもあり、頭が下がる思いです。任務遂行中にコロナに罹患、亡くなった人もいます。殉職者に対し、ビスカラ大統領は心からの弔意を表明。「彼らはこの国のヒーローである」として階級特進を約束しました。
指導者次第で国民の敵にも味方にもなるのが軍という組織だと、今ほど実感したことはありません。言い換えれば、国を統べるトップの資質が何よりも大事ということですね。
ペルー全土封鎖 外出制限48日目
保健省発表による5月2日0:00現在の国内感染者数は42534人(前日比+2075人)、死者合計は1200人(+76)。感染者の州別内訳はリマ26908人(+1190)、カリャオ3543人(+85)、アンカシュ907人(+85)、アレキパ655人(+31)、クスコ221人(±0)、ワヌコ233人(+27)、イカ584人(+4)、ラ・リベルタ798人(+78)、ランバイエケ2548人(+188)、ピウラ1492人(+96)、ロレト1425人(+70)、マードレデディオス118人(+2)、フニン451人(+15)、サンマルティン265人(+17)、トゥンベス336人(+10)、カハマルカ224人(+23)、パスコ148人(+26)、アヤクチョ117人(+13)、タクナ128人(+2)、ワンカベリカ133人(+24)、アプリマック86人(+3)、モケグア128人(+5)、プーノ124人(+8)、アマソナス136人(+7)、ウカヤリ826人(+66)。既検査数は355604件(+13106)、陽性判定率は11.96%、死亡率は2.82%。5098人が入院中(うち671人はICU)、12434人が回復へ。
(ソース: MINSA 5月2日)