全国工業協会(SNI)は13日、中国ならびに他の複数アジア諸国への食用海産物輸出につき、すべてのペルー水産企業がこれを一時的に中止すると発表した。
これは新型コロナウイルス(COVID19)の国際的流行を受けたペルー初の対外貿易措置となる。SNI漁業・水産養殖業委員会のカルロス・ミラノビッチ委員長による同措置発表の数時間前、ベラスケス通商観光相は、輸送の遅れなど対外貿易における同ウイルスによる物流への影響は今のところ出ていないと発言していた。
ミラノビッチ委員長は、中国の多数港湾における隔離・封鎖宣言により商業輸送が遮断され、フルーツや魚介を始めとする食品を積んだペルー、チリ、エクアドル由来のコンテナが影響を受けていると説明。
「ペルーには、中国以外にも、台湾やカンボジア、インドネシア、ベトナムなどを仕向国とする冷凍食品輸出業者がいます。これらの国の港でも中国同様、検疫上の問題から商業輸送が遮断されています」と委員長は述べた。
委員長はまた、数百におよぶコンテナが前述の港で立ち往生していると報告。他にもこれらの港に向け航行中のコンテナ船が多数存在し、積荷が中国で放棄される事態に陥らないよう目的地の途中変更を余儀なくされていると明かした。
現在の状況がペルーの水産輸出業者に深刻な経済的損失をもたらしていると前置きした上で、「この状況から抜け出す唯一の方法は、アメリカオオアカイカや冷凍イカなど中国向け伝統的産品の輸出を一時的に中止することです」と委員長は続ける。
加えて、状況は非常に厳しいがあくまでも一時的な措置であり、“事態の早急な解決“が望まれるとしつつ、「衛生的な緊急事態がこのまま続く限り、外交や貿易上の処置で現状を変えることはできません」と結んだ。
(ソース: El Comercio 13/02/20)