『お願い 殴らないで! いやっ! やめて~っ!』
夕方庭先に立つと、裏のアパートからこんな声が聞こえてくるという友人宅。実はこの声も、そのアパートのドゥクトを通して響いてくるのだそうだ。
うちのドゥクトは外から見えない造りだけど、多くの場合コの字型になっているから、声も外に漏れやすい。とはいえ、アパート外の住宅にまで声が聞こえるなんてこと、普通はほとんどないと思うけど・・・
友人宅のメイドさん曰く、この女性の叫び声はほぼ毎日聞こえてくるのだそう。ガシャン! バタンッ!と何やら物騒な音も響き、「こりゃ思いっきり暴力事件じゃね?」みたいな状況らしい。
我が家のバカ隣人の場合は、とりあえず問題ないだろう。殴ってるような音も聞こえないし、泣いた後は娘もケロッとしているし。でも、うら若き乙女が毎日毎日「殴らないでー!」って叫ぶのは尋常ではない。そのアパートの隣人は、警察に届けないのだろうか。もう届けたけど、なんともならないのだろうか。
「でも、どうやらその娘も相当あばずれっぽいんです」とはかのメイドさん。
夜遊びがひどいとか、酒を飲んでるとか、ドラッグもしてそうだとか、そんなことまでドゥクトを通してご近所に知れ渡っている。ひぇぇ、恐るべしドゥクト効果。家庭の恥ずかしい事情がバレバレである。
最初は半信半疑だった友人も、実際にその叫び声を聞いたそうだ。
『きゃー!もうやめて!殴らないでって言ってるでしょ!』
『訴えてやるっ!あんたなんか、訴えてやるからーーーっ!』
『ぎゃーーー!Auxiiiiiliooooooo!!(助けてぇぇぇー!!)』
交通事故にあって家族が死にそうだとか、洪水で子供が流されたとか、そんな状況じゃないとなかなか出てきそうにない緊急の言葉「auxilio」。そんな叫び声が毎日聞こえてくるなんて、そりゃ難儀なこった。
「でも、どうやらやっぱり娘のほうが悪いみたいです」と、真面目に状況報告をするというメイドさん。
みんな、愛憎渦巻くラテン系ドロドロドラマを見慣れているからこういうのも平気なのかな。というかやっぱり日常茶飯事?
日本の場合、「しつけ」と称する児童虐待や家庭内暴力があっても、全然外部には見えず、その結果、発見が遅れて悲しい結末になることも多い。テレビ・レポーターが近所の人に取材しても、「いえ、そんなご家庭だとは全然知りませんでした・・・」って悲しそうに答える。
ペルーなんかまるっきり反対。レポーターにマイクを向けられたら、近所のオバちゃんなんかもうしゃべりまくり。「毎日そーりゃ凄かったんだから、あんたっ!もうね、あの男はいつも飲んだくれて、暴力もすごくってさぁ。物は壊れるし、そーりゃ酷かったよ!」と、嬉々として話しちゃうんだ。
はぁ…
将来、上階の娘がそんなことにならぬよう祈るばかり。「そりゃあんた!あのバカオヤジは昔から本当に・・・」なんて言っちゃうオバちゃんにだけは、ならないようにしなきゃね。
いや,そんなおばちゃんには絶対ならないからご安心を。笑
凄いですね,ドゥクト効果。(^_^;)
まあ,そのくらい筒抜けの方が大事に至らないのかもしれませんが,日本だったら大声慎むかも……
って,うちのお隣は窓開けてどころかベランダで罵り合ってるからようするに人柄?でしょうか……
う~むむむ。
そこまで筒抜けなのもアレやけど、
生活時間帯が違うからとて、布団を叩くな子供を遊ばせるなと相手をノイローゼ寸前まで追い込まんばかりの日本はちょっと神経質になりすぎ?
そして他人との関わりをますます減らし孤立していくのかも。
その手の事件のインタビューでも音声は変える顔は出さぬで、ふつうの人の匿名化がすごい勢いで進んでいってる気が。
こちらの家の造りは隙間だらけですからね~。ドゥクトがなくてもよく上の声が聞こえます。。。ところで、お隣さんは誰と怒鳴り合っているんですか?ベランダからって、それも大概ですねぇ。ペルー人だってもちろん常識的な、寡黙な人もいるから、結局はその人のレベルなんでしょうね~。
日本はそんなんなんやー(←むっちゃ関西弁やね)。こっちは普通の人も芸能人並に自分のことをしゃべっちゃうよ。何かあったら必ずDNI(身分証明書)番号を聞かれるし、 みんな平気でいうし。個人情報を守るってことが、どこかずれてるのかもね。なんでも匿名になっちゃったら、発言にも責任取らないんじゃないの?なんかこう、もっと肩の力を 抜いて、らくーに暮らしたらいいのにねぇ・・・ ペルー人は楽すぎだけどさ。
筒抜けなら虐待にはならないですね~。
でも喧嘩をしてもわかっちゃうのは・・・ね~。
ちょっと困っちゃうかも・・・^^
あ、筒抜けなら虐待にはならないんですか?でも喧嘩どころか鼻歌まで聞こえます。人が楽しんでいる声はいいけど、喧嘩などマイナスオーラいっぱいの声は勘弁って感じです(涙)