その昔、「靴の修理に合計8km」も歩いたことのある私。
それに懲りて、随分長いこと靴の修理屋さんには行ってなかった。でも最近、ローファーのかかとのすり減り具合が気になっていた。あと、歩行中に中敷きがどんどんずれていくのも不快だった。他にも靴の底が薄すぎるのか、長時間歩くと足の裏が痛くなるブーツがあった。今回やっと靴を修理することにした。
あのメルカドの修理屋さんは遠すぎるので、うちに最も近く、且つちゃんと「店」を構えているところに持って行った。値段を聞くと、安くはないけどまあ許容範囲。私がいる間にも他のお客さんが来たりで、ここもよく流行っているようだ。
半金払ってお願いした。「明日の午後にはできてるよ」との言葉を貰って。さて、今日。できてないだろうなぁ、でももしかしたらできてるかなぁと思いつつ行ってみた。やっぱり・・・ できてなかった。事前に電話確認しなかった私が悪い。そう、ペルーではそれが常識。でも、怒りやら苛立ちといった気持ちが湧いてこないことに、自らのペルー的成長を実感する。人は環境に適応する動物なのだ。
出直そうと思ったら、おっちゃんが「もうすぐだから」と言うので待つことにした。確かにローファーのほうは10分ほどで出来上がった。でもよく見ると、かかとが以前より高くなっていた。確か、すっごくフラットなデザインだったんだけどな・・・う~ん、考えるの面倒くさい。ペルー的にno hay problema.←問題ないっ
一方、ブーツはまだ時間がかかりそうだった。その上ベージュのスェード生地が・・・黒く薄汚れていた。さすがにこれにはクレームを!と思ったんだけど、真っ黒な手で一生懸命やってるおっちゃんを見たら、これまたすすーっと諦めの境地に到達してしまった。
そうさ、ここはペルー。出来上がってから、きれいにしてもらえばいいじゃないか。できなかったら、残りの半金からいくらか引いてもらおう。それが無理なら、本気で怒っちゃうぞ?他の客の前で、ぎゃんぎゃん喚いちゃうぞ?だんだん日本に適応できない人間になってきてます。
この日も次々とお客さんがやってきて、靴やらカバンの修理を依頼していった。おっちゃんは「うん、これなら1時間ね」「う~ん、1時間半くらいかなぁ」と適当に答えていたが私の靴でさえこれだけかかってんのに、しかもまだ終わってないのにそりゃ無理でしょう。何事も信用してはいけません。急ぐ時は、にらみを利かせながらその場で待つしかありません。
雑誌をぱらぱらと捲りながら・・・30分は経過しただろうか。どうもニカワが乾ききらないうちにゴム底をつけようとしているらしく、どうにもならないことが素人にも分かった。「すぐできるから」と言った手前、何が何でも仕上げてしまいたかったのだろうが・・・さすがに無理と思ったのか、突然「ごめん、明日来て」と。
そっかー、そりゃどうみても無理っぽいもんね~。適当に修理されるより、完璧に仕上げてもらうほうがいいからね。「ごめんね~」って言ったから、許してあげるね~。近場でよかった~と思いつつ、帰路につく私。別に「いいこと」なんて、何もなかったはずなんだけどな(苦笑)
どうも色んな感覚がおかしくなっているようです。
こんにちは。
本当に、日本から一歩外へ出ると忍耐心が
試されます。でも、ペルーの良いところは、
みんな真面目に取り組んでいるところじゃない
でしょうか。
私の場合、自分が絡んでいないと、他人には
平気で、No pasa nada. と言ってやります(笑)。