2018年1月18日はリマ建都483周年記念であり、ローマ教皇フランシスコが初来秘する記念すべき日。スペイン人侵略者たちがリマを南米支配の拠点と定めた日に、神の名のもとにアンデスの偉大なる文明を破壊した組織の代表がやってくるとは、なんとも出来過ぎた話ではないか。
ペルー人でもなくカトリックでもない私には、パパ・フランシスコ来秘がどのような意味を持つのかがイマイチ掴めない。もちろん南米初の教皇であることに親しみを感じるし、質素倹約を好むところや、前述の植民地時代における教会の罪を謝罪したことには好感が持てる。だけど、彼1人のためにこれだけ社会的制約を強いてもいいものか?カトリック信徒12億人を統べる人物なのだから、これくらい当然なのだろうか。「どんな信仰も許されるし、尊重されるべき」と言ったその口で、パパ来秘反対派による抗議行動には「政府は完膚なきまでにこれを阻止します」と言い捨てる副大統領。結局権利を掌握するのは “あなたたち” なのねと、思わざるを得ない。
そんな中でほっこりさせてくれたのは、我がスルコ区長のゴメスくん。「えー、泥棒の皆さん、せめてパパ来秘中はお仕事を休んでゆっくり過ごしてください」ってどういうこと!(笑)犯罪を取り締まるべき区の長が犯罪者にお願いするというあり得ない発言だが、ペルー的にはOK!何百万人という人々が一堂に会す場を完全に守ることなど到底無理なのだから、こういう逆アプローチだってありだと思う。
他にも「夏の紫外線は強烈です。ミサ参加中はつばの広い帽子とサングラスをしっかり着用しましょう」や、「パパ関連イベントの24時間前と終了後10時間は、アンブランテの営業禁止」もほのぼのして好きだなぁ。大臣が「100万人単位の信者が集まる21日のミサ翌日(22日)は市内、特にパナメリカナスールは大渋滞になるでしょう。なので月曜は仕事開始が2~3時間遅れてもしかたなし」と公に発言しちゃうって、どれだけ鷹揚なんだ!
ちなみに来秘2日前にリマ市内の、1日前に空港前の主要道路の交通規制を発表するなど、あまりにも遅すぎる対応もペルーならでは。市民はもちろん、世界中から集まる旅行者たちはどうするんだろう?皆さん、空港前のフォセット通りは今日14:00~18:00、金曜の5:00~9:00と14:00~20:00は通行止めです。明日朝一にマチュピチュという方は、特にご注意ください!
パパは本日17:20(最新情報では5:00前に到着)にホルヘチャベス空港敷地内の空軍基地に到着、そこでPPKを始めとするお歴々がお出迎え。国旗掲揚、国歌斉唱、その他モロモロを終え、17:40にブラジル通りを通って18:20にローマ法王庁大使館に入る。入国からお宿入りまでわずか1時間とはさすが!
敬愛する教皇のお姿を一目見ようと、朝から大勢の信者たちがブラジル通りに集合している。私はテレビでご尊顔を拝見するとしよう。