シリーズ開始以来ずっとご紹介しているペルー中央準備銀行(BCR)発行のコレクション用1ソル硬貨「ペルーの富と誇り」。
そのコイン専用のアルバムを手に入れるためにセントロのBCRに行った時のこと。警備員曰く、アルバムはすぐ近くの中央準備銀行博物館で売ってるとのこと。(この博物館も見ごたえがあっていいんだよね~。しかも無料。ご紹介せねばと思いつつまだできておりませんが・・・しばしお待ちあれ)でも博物館に行ってみると、同じ建物の裏側の入り口に回れと言われた。で、行ってみると・・・
黒服をびしっと決めた図体のでっかいオジサマが扉の前に立ちはだかっている。そして訪問者に対し「身分証明書を見せろ、目的はなんだ」と尋問中。ここは銀行じゃないのに、なんてチェックが厳しいのかしら。ま、後ろめたいことは何もないからいいんだけどね。
オジサマのチェックをクリアして中へ入ろうとした矢先、扉の前にいたペルー人セニョーラに声を掛けられた。「あなた、あのアルバムを買うの?私、DNI(身分証明カード)を忘れて入れないの。お願い、3冊買ってきて!」と。私が躊躇していると、彼女は先払いとして50ソレスを私に手渡した。1冊10ソレス、3冊希望で30ソレス。20ソレスのお釣り。
もし私がこういうことを人に頼むなら、絶対30ソレスぴったり渡すだろうな。だってお釣りを持って逃げちゃうかもしれないじゃない?お釣りとして偽札を渡されるかもしれないじゃない?そんなことを瞬時に考えてしまう私って、相当疑り深い性格かも。私を信用してくれたこのセニョーラにちょっと申し訳ない気持ち。
さてさて、いざ扉を抜けて薄暗い部屋へ入った。ここでも黒服の警備員に「目的は?」と聞かれ、その目的に応じた列を指定され、待たされた。たかがアルバムになんと厳重な警備だろうね。まったく。
15分ほど待たされただろうか。私の前のオジサンもこのアルバムを買いに来たらしい。係の女性がこのオジサンのDNIをチェックして、名前と番号をいちいちパソコンに入力してた。いったい何のため?この1ソルコレクションを将来悪用しないため?ペルー人のやることはどうも無駄が多い気がする。
そしてやっと私の番。なんだけど、そう言う時に限ってパソコン画面が固まった~!「や~ね~」という困った表情で私を見上げる係の女性。そりゃこっちのセリフでしょう。アルバム買うだけなのに、一体何分待たせるんだ?すぐ復旧すると思ったのに、これがなかなかなおらない。こう言う時は「Paciencia/忍耐」あるのみ。ただ待つのみだ。でも係の人たちは結構焦っていて、あーでもないこーでもないと随分騒いでいた。
そうこうしているうちに、私を見た係の男性が声を掛けてきた。「あなたは外国人だね、旅行者?」と。「日本人よ。でもレシデンテ(在住者)です」と私の外国人登録証を見せたのだが、その男性はそのカードを見ながらこう言った。「いや、旅行者でいいでしょ。旅行者ならこのシステムに登録しなくていいから。はい、何冊欲しいのかな?おじょーさん♪」
えー!?何のためのシステム?何のためのセキュリティ?外国人登録証はペルー人のDNIとほぼ同じ効力のあるもの。いつ誰が何を何冊購入したかって記録を取ってるなら、私のだっているでしょう?まーったくいい加減にもほどがある。犯罪に使っちゃうよ!
私がアルバムを買った後も、まだあのパソコンは固まったままだった。私の後ろは100%ペルー人だったけど、あの後どうしたのかなぁ。外に出て、さっきのセニョーラを探し、アルバム3冊とお釣りを20ソレス渡した。「ありがとね~」と感謝されたのはいいが、本来なら彼女の購入データも必要だったのではないだろうか。
黒服の存在理由もあの厳しいチェックも、そしてシステムの価値もよくわからないが無事アルバムを購入することができた。ま、いっか。現在9つ目のコインが登場している。残りあと17!さて、何年かかるかな?
なんじゃそりゃ(苦笑)全然意味ないじゃん!
あいやいや今英国でやってるアレ式に言えば「参加することに意義がある」ならぬ「(実体どうあれ)登録することに意義がある」かなぁ~
でもそのデータが何かの役に立つとは到底思えないで。
あ、でもその手の「ユルさ」、実は嫌いじゃなかったり…するんだな(笑)
へへ、そうそう、この手の「ユルさ」、私も好き。無駄ばっかりで意味ないこと多いけどね~(苦笑) とはいえ、アルバムを売るだけなのにこの厳重さはどうしても理解しがたい。警備員何人おったか・・・。もしかしたら、このリストから国家の存亡を揺るがす何か重大な事実が分かるのかも!?・・・ってことはないやろなぁ~(爆)