モヤシを洗いながら思うこと

野菜オヤジからモヤシを買うと大変だ。ただ洗うだけでなく、豆殻を取ったり茶色くなった根っこ部分をちぎったりという作業がもれなく発生するから。

水を張った大きなボールにモヤシを入れ、浮いた豆殻を取り除き、茶色い部分を除去していく。1本1本、気の遠くなる作業を繰り返す。だから一度に大量には買いたくないのに、売れ残ってもすぐ傷んでしまうからだろう、オヤジったらいつも多めに袋につめる。ありがたいが、掃除の手間がますますかかる。私が買うのはいつもせいぜい2~3ソレス分。値段は安いのに掃除代(私の人件費)がかかる、私にとってモヤシはある意味高級食材だ。

キッチンでこのモヤシたちと向き合いながらいつも思うのだが、日本の袋入りモヤシはなんであんなにきれいなんだろう。しかも2~3日くらいでは茶色くならない。あんなに安いのに、なんて優秀な!もしかして漂白でもしてるのかしらと訝ってしまう。あれだけの品質を保っているのにちびっとも値上げできないなんて、日本の企業はほんと気の毒。生産者はもっと自分たちの利益を優先したらいい。会社が潰れたら、モヤシだって消えちゃうんだから!ペルーなんて、品質が伴っていなくても簡単に値上げしちゃうぞ。あ、でもそういえば、このモヤシだけはずっと値段が変わらないかも。そうか、モヤシはペルーでもただのモヤシとして扱われるんだ。なんだか気の毒になってきた。

ペルーはここ数日なんだか無茶苦茶でいいニュースがないもんだから、ついモヤシを語ってしまった。クスコのストライキはますます激しくなるし、医者までストライキを始めたし、リマ旧市街の観光スポットの1つ、サン・クリストバルの丘ではバスの横転事故があって、多数の死傷者が出た。加えて昨日の夜8時20分に、司法がペルー前大統領オリャンタ・ウマラ・タッソと妻ナディンの予備拘束令を発令!いくら汚職が文化とはいえ、前大統領夫妻が刑務所に送られるなんて前代未聞。

今月28日はペルーの独立記念日。例年この時期に行われる「ペルー人であることに誇りを感じるか」的なアンケートはいつもSIが増えるけど、今年はガクッと減りそうな予感。ちなみにクチンスキ政権発足1年目の評価は、20点満点中の10.8ポイント。頑張ってるのに、モヤシのように評価されていない?いやいや、そうじゃないでしょう。