ペルー人家族がいない私は、タクシー運ちゃんとの会話から“ペルーを知る”ことが少なくない。年齢やキャリアだけでなく、出身や学歴など多様なバックボーンを持つ彼らが語るペルーはなかなかリアル。時には個人の偏見丸出しで、興味深いことが多いのだ。
もちろん私だって誰彼構わず話しかけるわけではないし、黙ったままのことも多い。でもペルー人はおしゃべり好き。自分が「聞きたい」と思った時に声をかければは、大抵の人はそれなりに返事をしてくれると思っていた。そう、彼に会うまでは。
ある日利用した流しのタクシー。目的地を伝え値段交渉をした時は、まったく普通だった。後部座席に乗ってふと前を見ると、助手席の後ろに何やら張り紙がしてあるではないか。関西弁風に言うと「お客さん、あっち行ってーとかそこ曲がってーとか以外のどーでもいいこと、いちいち俺にしゃべってこんとってな。ほな、よろしゅう」要は黙ってろということである。
私はびっくりして「ねぇ、この張り紙は何?なぜ話しちゃいけないの?」と訊ねてみた。すると運転手は面倒くさそうに「しゃべりながらの運転は危ないからですよ。リマ市が決めたんです」と言うではないか。えー?そんな法律あったっけ?「リマ市の法律なの?いつできたの?」「・・・」「私、こんなの初めてみたよ」「・・・」「あのー、もしもし?」「・・・」その後ずっと無視された。むきーっ!
そもそもリマ市役所の公式サイトはwww.munlima.gob.peであって、あの張り紙のURLなど存在しない。関連しそうなニュースも探したが出てこなかった。そう、これは彼の自作自演なのだ。
確かに、こっちはその気がないのにしつこく話しかけてくる人はいる。プライベートな質問をずけずけとしてくる人も少なくない。だからと言って嘘のURLまで書く必要があるのだろうか?彼は過去によほど嫌な思いをしてきたに違いない。それにしても「話しかけるな」とは恐れいった。他人との関わりを遮断して解決できる問題などないだろうに。
タクシーから見る“ペルー”はやっぱり面白い。
面白い話でした。リマ市が決めた法律わけがないでしょう。運転手さんも人それぞれ。
エンソさま、拙サイトにコメントをありがとうございます。
リマ市がそんなこと決めるわけがないとは思いましたが、あまりにも堂々と言い切られたので(笑)
ほんと、運転手さんも人それぞれですね~。