木を見て森を見ず。ペルーの携帯チップ販売事情

諸事情あって、Movistarのプリペイドチップを購入することになった。最寄りのショッピングセンター内にあるMovistarのショップへ行くと、「DNI(ペルー人の身分証明証)はいいが、外人カルネはダメだ」と言われてしまった。

理由を尋ねると、「ここのシステムだとDNIしか認識しないから」と。なんて片手落ちなシステム!外人カルネ所持者は、Jockey PlazaかSalaverryのオフィスへ行けという。たかがチップ1枚でJockeyまで?と思ったが、他店でもダメだったので、渋々Jockeyまで行ってきた。

オフィスでの手続きは思った以上に複雑で、随分時間がかかってしまった。あまりに待たされるので、ちょっと偉そうな人を見つけて、他店でチップが買えなかった理由をもう一度尋ねてみた。すると「いやー、今は犯罪が多いでしょ。だからお上が煩いんですよ。それにまだ指紋認証システムのない店がほとんどですからねぇ」と。あ!そういえば昨年から、プリペイド携帯番号の購入時に指紋照合が義務付けされたんだっけ!

ペルー人の指紋はReniec(国民登録機関)に登録されているから、簡単に本人確認や指紋照合ができる。が、外国人のデータはない(イミグレが管理)。だからか~と合点がいった。でもJockeyのオフィスで聞くまで、誰も「huella digital(指紋認証)」と言わなかったぞ?実際にはReniecにだって確認していないんじゃないの?

という話をだんなにしたら、こんなニュースを教えてくれた。曰く、「2015年、Osiptel(電気通信民間投資監督庁)がなりすまし疑惑があると指摘した11万734回線のうち、およそ7000回線が名義人が全く知らないうちに契約されていた」と。なんてこった!

以前は外国人でも簡単に買えたペルーの携帯チップだが、これからはどんどん厳しくなるだろう。私はカルネだけでなく、自宅住所や固定電話番号、使用する携帯機種までチェックされた。ペルーを頻繁に訪れる日本の友達に尋ねたら、「私の場合パスポートだからか、オフィスでもいつもトラブりますよ~」と。まったく、外国人じゃなくてペルー人をチェックしろって!!

ちなみにこれは首都リマの、尚且つ新市街での話であって、郊外や地方に行けば外国人だって簡単に入手できちゃうに違いない。Jockeyの担当者に「外国人よりペルー人のほうが危険じゃないのさ」と言ったら、彼は「へへへ、まーねー」と笑ってたし。まったく心底適当な国である。